3Rとは、環境問題に関する「R」から始まる3つの英単語をまとめて呼ぶ総称です。
①Reduce(リデュース):ものを大切に使い、ごみを減らすこと。無駄なごみを減らすこと。
例1:必要ないものは買わない、もらわない
例2:スーパーの買い物にエコバッグを持っていく(レジ袋を使わずに済むので)
②Reuse(リユース):文字通り、もう一度、繰り返し使うことです。
例1:シャンプーなどを買う時、2回目以降は詰め替え用を買う(最初に買ったポンプを再使用する)
例2:いらなくなったものをお下がりなどのかたちで譲る、リサイクルショップやフリマで売る
③Recycle(リサイクル):ごみを、資源として再利用することです。
例1:資源ごみを決まったごみの日に出す
例2:資源ごみを再利用して作られた製品(ペットボトルを再利用した素材でできているパタゴニアのフリースなど)を買う
これら3つの3Rは、何かを捨てようと思ったら、まずreduce(ごみの削減)のためにそれを本当に手放してよいかどうか判断し、その後Reuse(再利用)の可能性を探り、最後に捨てる選択をした場合は資源ごみとして出すrecycle(リサイクル)…と、順番に考えていくことを提唱されています。
世界での3Rの動き
先に紹介した、ゴミを捨てる前にReduce, Reuseの可能性を探ろう、というwaste hierarchyの考え方は、ヨーロッパで1970年代に政治の世界で話題になりました。その後1985年にはEC域内のごみ管理に関する文書が完成。2008年には5ステップからなるWaste hierarchy “Directive 2008/98/EC on waste(Waste Framework Directive)”が提案されました。
また、米国連邦政府の環境保護庁(EPA)は、3Rに関するウェブサイトを立ち上げており、3Rの定義から日常的な実践法まで書かれています。
日本での3Rの動き
日本では、政府が市民や企業に3Rを広めようと、努力を重ねています。2000年には、循環型社会形成推進基本法に3Rの考え方を導入。(1)リデュース(2)リユース(3)リサイクル(4)熱回収(サーマルリサイクル)(5)適正処分の優先順位での廃棄物処理およびリサイクル、を行うべきであると定めています。
この他に、政府機関や市民団体が様々な3R促進キャンペーンをおこなっています。特に経済産業省は環境と経済が両立する循環型社会を目指すための政策である3R政策を実施。廃棄物・リサイクル法体系の整備、エコタウン事業のような環境産業の育成などに取り組んでいます。
また国内では、3Rを始めとした環境問題、解決法の実践をテーマにした3R低炭素社会検定という検定があり、老若男女問わず、幅広い層の人が受験しています。企業も3Rの浸透に努めており、ソフトバンクやダイエーでも取り組まれています。
批判、課題
3Rは環境問題に関心のある人にはだいぶ浸透してきましたが、一般的な認知度はまだ低いです。例えば、アメリカの教育現場では、ミュージシャンのジャック・ジョンソンが作った3Rの曲を歌いながら3Rを考える、といった面白そうな授業を展開しているので、そういった方法を使い、楽しく身近な方法で3Rを広めていくのも手でしょう。
参考文献、参考URL
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