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【国際】CDPとCDSB、企業のTCFD情報開示の国別状況を分析。日本企業も対象

 国際的な気候変動情報開示推進NGOのCDPと、気候変動関連情報開示標準化の国際イニシアチブCDSB(気候変動開示基準委員会)は3月19日、2017年のCDP質問票を基に、企業の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)ガイドラインに基づく情報開示状況を分析した報告書を発表した。82%の企業が気候変動リスクを取締役会レベルで議論しているとしつつも、取締役に気候変動マネジメントを促す金銭的または非金銭的インセンティブを与えている企業は12%しかなく、認識とアクションの間には大きなギャップがあると報告した。

 分析対象は世界主要国の1,681社。米国501社、日本311社、英国243社、カナダ118社、フランス92社、ドイツ84社、オーストラリア75社、韓国62社、ブラジル57社、トルコ51社、インド51社、中国29社等。

 TCFDは、「ガバナンス」「戦略」「リスクマネジメント」「指標と目標」の4つの観点での情報開示を求めている。情報開示の国際比較では、TCFDに基づく情報開示が進んでいる国は、フランス、英国、ドイツの3ヶ国。とりわけ「ガバナンス」「リスクマネジメント」「指標と目標」の3項目では開示が進んでいる。また、全体では80%が気候変動による物理リスクや移行リスクによる財務インパクトの開示を行っており、とりわけ進んでいるのは韓国とインドだった。

 日本企業については、気候変動リスクを取締役会レベルで議論している企業の割合は英国やドイツ並の94%と高かったが、取締役にインセンティブを与えている企業は欧州先進3ヶ国が25%前後だったのに対し14%と低かった。気候変動に関するリスクや機会の特定では、世界平均が84%だったのに対し、日本は60%と最下位。下から2番目の中国の76%にも大きく差を付けられた。二酸化炭素排出量の算出では、スコープ1は世界平均94%に対し日本は93%と善戦したが、スコープ2では世界平均87%に対し67%と2番目に低かった(最下位は中国の62%)。

 スコープ3では、金融機関に対して焦点を当てた。スコープ3のうち1カテゴリー以上の排出量を算出した企業の割合は世界的に90%前後にまで高まっているの対し、日本の金融機関は68%に留まった。スコープ3のうち「投融資」からの排出量算出では、フランスが38%と大きくリード。カナダ19%、英国17%とづづイた。日本の金融機関は9%だった。

 内部カーボンプライシングへの取組では、韓国、インド、ブラジル、フランスがリードし、今後2年以内に内部カーボンプライシングを導入する企業が50%を超えた。日本企業は導入済みが18%、今後2年以内に導入予定を含めても34%に留まり、米国に次いで低かった。

【参照ページ】New research shows clear gap between companies’ awareness of climate risks and actions for tackling them
【報告書】Ready or not: Are companies prepared for the TCFD recommendations?

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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