ネパール会計検査院(OAG)は4月12日、ネパール人出稼ぎ労働者向けの金銭負担軽減策として導入されている「free visa, free ticket」制度について、実効性が担保されておらず、依然としてネパール人労働者への金銭負担が大きいと言及。政府に徹底を促した。
同制度の下では、サウジアラビア、クウェート、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、オマーン、バーレーン、マレーシアでの勤務のため海外移住する労働者に対しては、当該国への入国ビザや渡航費は全て雇用主側が負担することを義務化。労働者側は、事前健康診断、事前研修、職業紹介事業者へのサービス費のみを支払えばよく、労働者側の金銭負担を軽くしている。
しかし、今回会計検査院が調査したところ、実際には労働者側が負担させられている事例が数万人規模いることがわかった。ネパールNGOのLaw and Policy Forum for Social Justice(LAPSOJ)によると、職業紹介事業者に遠慮して政府は徹底を躊躇っているという。LAPSOJは、法執行徹底を求め行政裁判を起こし、すでにネパール最高裁判所は法執行を命じているが、依然として機能していない模様。
また、同制度のもとでも、職業紹介事業者へのサービス費支払は正当化されているが、労働者側からサービス費を徴収する行為は、強制労働や現代奴隷とみなされることが一般化してきており、問題がある。
【参考ページ】Supreme Court issued a show cause order in case concerning the Regulation of Foreign Employment Agents
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