化学物質・廃棄物関連3条約と呼ばれる「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」「国際貿易の対象となる特定の有害な化学物質及び駆除剤についての事前のかつ情報に基づく同意の手続に関するロッテルダム条約」の締約国会議が4月29日から5月10日、スイス・ジュネーブで開催され、規制物質の追加等が決まった。
海洋プラスチック問題対策では、プラスチック廃棄物の輸出入の透明性を高め強制を強化する法的拘束力のある枠組みを盛り込むバーゼル条約改正案をノルウェーが提案し、採択した。特に、汚れたり、中身が入っているプラスチック廃棄物の輸出入を規制対象に加えた。実際の運用は各国の判断に委ねた。新規制は2021年1月に発効する見込み。同時に、ノルウェーが提案した「プラスチック廃棄物パートナーシップ」を組成も決定。同パートナーシップは、国、企業、NGO等が自主的に参画し、プラスチック廃棄物対策ためのツール、ベストプラクティス、技術・資金支援等を定める。
ストックホルム条約では、 ペルフルオロオクタン酸及びその塩(PFOA)とジコホール(ケルセン)を、廃絶を指す「附属書A」に追加した。PFOAは、撥水剤、表面処理剤、防汚剤、難燃剤等に用いられており、ジコホールは、殺虫剤や防虫剤に用いられている。
ロッテルダム条約では、ホレート殺虫剤と工業用化学物質ヘキサブロモシクロドデカンを「附属書3」に追加し、輸入の際に輸入国の事前承認(PIC)を必要な物質に指定した。
汚れたプラスチック廃棄物が、バーゼル条約の規制対象に加わったことで日本にも影響が及ぶ。日本法では、バーゼル条約規制物質については、輸入国に日本国内と同等の処理体制がない場合、輸出禁止している。日本は従来から、アジア諸国にプラスチック廃棄物を輸出しているが、汚れたプラスチック廃棄物の処理を日本と同等に行える国はほぼなく、輸出ができなくなる。日本政府は今後、「汚れたプラスチック」の定義に関する指針を定める予定。
【参照ページ】Governments agree landmark decisions to protect people and planet from hazardous chemicals and waste, including plastic waste
【改正】Proposals to amend Annexes II, VIII and IX to the Basel Convention
【パートナーシップ】Draft terms of reference for the Basel Convention Partnership on Plastic Wastes and draft workplan for the working group of the Partnership on Plastic Wastes for the biennium 2020–2021
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