英シンクタンクは3月30日、機関投資家や企業向けに、プラスチック容器・包装の座礁資産化リスクを分析したレポートを発表した。機関投資家も大きなリスクを負っていると警鐘を鳴らした。
今回のレポートをまとめたのは、英金融シンクタンクのプラネット・トラッカー。プラスチック容器・包装の売上が1億米ドル以上で、売上全体の10%以上を占める企業を83社ピックアップして、調査ユニバースとし、バージンプラスチックから事業転換するポリシー状況を調査した。その上で、当該企業へのエクスポージャーの高い金融機関を発表した。
ユニバース83社には、日本企業では、凸版印刷、大日本印刷、レンゴー、エフプコ、積水化学工業、藤森工業、ホッカンホールディングス、アキレス、石塚硝子、大成ラミック、ザ・パック、カーリットホールディングス、丸東産業、スーパーバッグ、中央化学を挙げた。
83社の時価総額合計は1,260億米ドル(約13兆円)。世界の市場シェアの93%を占める。特にそのうち20社が市場で高いシェアを誇っており、20社合計だけで売上538億米ドルで全体の64%を占めていた。その中で、今回の83社のうち、53社は持続可能な容器・包装についてのポリシーが開示されておらず、今後の法規制リスクを負っていた。
プラネット・トラッカーの調査によると、今回の83社に対する未実現利益の総額は、機関投資家上位20社だけで77億米ドル(約8,000億円)。エクスポージャー最大はバンガードの19億米ドル(約2,000億円)だった。また機関投資家全体でのエクスポージャーは240億米ドル(約2.5兆円)にもなるという。83社のうち、2021年1月4日時点で、グリーンボンドやサステナビリティボンドの発行実績のある発行体もゼロ。2025年には、83社のうち70%がボンドやローンの償還期限を迎えており、そのタイミングでアクションを進め、グリーンボンドやグリーンローンでの資金調達につなげるチャンスもあると見通した。
【参照ページ】Planet Tracker proposes global strategy to address rising stranded asset risk in the plastic containers and packaging sector
【レポート】UNWRAPPING INVESTOR RISK
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