米固体酸化物形燃料電池(SOFC)開発スタートアップのブルームエナジーと、米再生可能エネルギースタートアップHeliogenは11月16日、両社の電解槽と太陽熱発電を組み合わせ、米カリフォルニア州で低コストでのグリーン水素生産を行うと発表した。
Heliogenは、人工知能(AI)を活用し、太陽熱発電で効率よく蒸気、熱、電力を生成。加えて、ブルームエナジーの固体酸化物形燃料電池と組み合わせることで、従来型の低温高分子電解質膜(PEM)やアルカリ電解槽と比べ、45%も効率良く水素生産が可能。24時間365日、プラントも稼働できる。電解槽での水素生産コストの80%は発電コストのため、太陽熱から効率よくエネルギーを活用することで、低コストのグリーン水素を実現できるという。
水素使用量は、2050年までに現在の1.15億tから最大8億tまでに拡大し、エネルギー需要の15%から20%を占めるようになると予測されている。またコンサルティング世界大手米マッキンゼーによると、水素プロジェクトは既発表のものでバリューチェーン全体で3,000億米ドル(約35兆円)規模に達している模様。そのうち1,500億米ドル(約17兆円)以上は水素製造の工程が占めるという。
さらにブルーム・エナジーは11月8日、米カリフォルニア州の酪農家に1MWの固体酸化物形燃料電池(SOFC)を導入。厩肥から生成したバイオガスを活用した再生可能エネルギー発電すると発表した。
発電では、米バイオ燃料開発カリフォルニア・バイオエナジーと協働。カリフォルニア・バイオエナジーの消化漕で厩肥から発生したメタンを回収する。回収したメタンを分離スキッドで浄化した後は、ブルーム・エナジーの固体酸化物形燃料電池(SOFC)による電気化学プロセスで、再生可能エネルギー発電を行う。
酪農でのバイオガスの65%はメタン。大気中に排出されるメタンを回収し、電力や車両の燃料として活用することで、二酸化炭素排出量を削減できる。今回導入の固体酸化物形燃料電池(SOFC)では、分離スキッドの稼働や酪農での使用電力を賄うだけでなく、余剰電力をカリフォルニア州の電気自動車(EV)充電スタンドで活用する。
【参照ページ】HELIOGEN AND BLOOM ENERGY LEAD THE WAY TO PRODUCE LOW-COST, GREEN HYDROGEN FOLLOWING SUCCESSFUL DEMONSTRATION
【参照ページ】BLOOM ENERGY DELIVERS RENEWABLE POWER FROM DAIRY FARM WASTE
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら