日本証券業協会(日証協)は10月19日、三菱UFJモルガン・スタンレー証券に対し、定款第28条第1項の規定に基づき、譴責処分を発出した。また同第29条の規定に基づき、部管理態勢及び内部監査態勢の是正と再発防止策の履行を求める勧告を行った。
今回の事案では、同社の社債の引受業務部門が、同社の国内及び海外投資家顧客合計401社の非公開情報を掲載した提案書等を社債発行予定の発行体合計195社に提供し、起債提案等を行っていた。実施時期は2020年から2021年と報じられている。
日証協は、顧客の非公開情報の漏洩は、日証協の規則第5条第2項に規定する「協会員は、顧客について顧客カード等により知り得た秘密を他に漏らしてはならない」に該当すると判断。また、顧客情報の管理体制が十分でないと認められる状況のもと、顧客情報を漏洩し起債提案等を行っていたことは、定款第28条第1項第4号に規定する「取引の信義則に反する行為をしたとき」に該当すると判断した。
情報漏洩では、提案書等に掲載している非公開情報としては、国内投資家では「投資家名・社債の引受けの際の当社での取引金額・需要金額」、海外投資家では「投資家名・需要金額」。投資家名については実名又は識別可能な示唆名称を記載していたこともわかった。
また本件では、社債発行予定の発行体には、同社の親会社等2社(4件)も含まれていた。加えて、グループ協働目的での親法人等2社(22件)への提案書等の配付も行われていた。日証協には、同協会の会員のみに対し、直接処分する権限がある。
【参照ページ】協会員に対する処分及び勧告について
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