今回ご紹介するのは、世界最大のラム酒ブランド「Bacardi(バカルディ)」で有名なBacardi & Company Limitedのサステナビリティへの取り組みだ。
バカルディは、1862年にスペインからキューバへ移住してきたワイン商、ドン・ファクンド・バカルディ・マッソによって設立された非常に歴史ある企業だ。
その後、同社はキューバ革命後の国有化政策を恐れて1960年にキューバから撤退し、本社をバミューダ諸島のハミルトンに移転。現在は蒸留所をプエルトリコ、バハマ、メキシコなどに置き、品質管理を行っている。
バカルディのサステナビリティに対する取り組みは、創業者であるドン・ファクンド・バカルディ・マッソ氏にまで遡る。同氏は当時からモラセス(砂糖の精製時に発生する廃糖蜜)の削減やウイスキー樽のリサイクルなどに取り組んでおり、同社にとってサステナビリティとは会社のDNAそのものとなっている。
同社のサステナビリティの特徴は、経営陣の強いコミットメントがあることだ。それは同社のHPに経営陣3名がそれぞれ自身の言葉で自社のサステナビリティに関するコミットメントインタビューを掲載していることからもはっきりと窺える。
動画の中で同社CEOのEd Shirley氏が述べている”Our vision is to return to the environment at least as much as we take away.(少なくとも使ったぶんの資源は自然へとお返しする)”というゼロ・ネットインパクトビジョンが、同社のサステナビリティの柱だ。
同社は2006年から、製品パッケージ重量を7%以上(23,000トン相当)削減し、エネルギー利用を25%、水の利用を54%以上も削減してきた。プエルトリコにおける風力発電、フィジーにおけるバリアリーフを保護するための持続可能なさとうきび農場のモデル開発など、同社の取り組みは幅広い。そして現在は、2017年までの目標として下記のように更に高い数値を掲げている。
- さとうきび製品の40%をサステナブル認証を受けた資源からの調達で賄う
- 水の利用を55%削減する
- 温室効果ガスを50%削減する
- パッケージ重量を10%削減する
サステナビリティへの一貫した姿勢と高い実現力が、"Bacardi"ブランドと品質に対する消費者の信頼を底支えしている。
【企業サイト】Bacardi & Company Limited
【CSRページ】Good spirited
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