ノルウェーのオスロを拠点とするシンクタンクSustainiaは6月15日、グローバル市場においてサステナビリティ分野を牽引する100のイノベーションをまとめた報告書「Sustainia100 2014」を発表した。
Sustainia100は国連グローバル・コンパクトやWWF、Regions20などの国際機関や企業の協力によりまとめられた研究で、エシカル・スマートフォン、空気清浄カーペット、カーボン・ネガティブ・プラスチックなどが紹介されている。
調査対象となったのは900を超える世界中の最新テクノロジーやプロジェクトで、衣料品、食品、不動産、輸送システムなど10の業界におけるイノベーションが網羅されている。その中から選出されている100のイノベーションはいずれも環境・社会・経済面における効果が期待でき、かつ実用化が可能なものとなっている。また、これらの技術は既に142か国で展開されているとのことだ。
Sustainiaのディレクターを務めるLaura Storm氏は「ここ数年、サステナブル・イノベーションへの取り組みは拡がりを見せており、多くの企業が急速に新たエネルギー・資源利用を最適化するソリューションの開発、導入を進めている。こうした変化についていけない企業は長期的に生き残ることは難しいだろう」と述べた。
Sustainia100のデータによると、グローバルなサステナブル・イノベーションにおけるトレンドとして、特にCircular economy products(循環型製品)、Data analytics services(データ解析サービス)、Improved sustainability practices throughout the supply chain.(サプライチェーンにおける事業慣行の改善)という3つの領域が業界を牽引する主たるドライバーになっていることがわかる。
いずれの領域も、迫りくる世界的な人口増加と経済発展をどのように限りある自然資源で賄っていくのかを考えるうえで欠かせないイノベーション領域だ。生産から消費にいたるまでバリューチェーン全体における環境負荷削減を実現する製品やテクノロジー、ビッグデータを活用した資源効率化ソリューションなど、サステナビリティは業界を問わずどの企業にとってもR&Dの中心的概念となりつつある。
今回のレポートはサステナビリティに関する世界中のグッドプラクティスが非常に見やすくまとまっており、CSR・サステナビリティ関係者は必見の内容だ。改めてサステナビリティがグローバルトレンドの中心となりつつあることが俯瞰できるはずだ。
今や、サステナビリティを追求する技術革新は大企業だけではなくベンチャー、スタートアップ企業にとっても絶好のビジネスチャンスだと言える。ぜひSustainia100を参考にしながら、新たなビジネスの機会を探りたいところだ。
Sustainia100のレポートはオンラインでも閲覧可能。ダウンロードは下記から。
【企業サイト】Sustainia
【Sustainia100】Sustainia100 2014
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