9月16、17日にかけて、CSRアジアが主催するCSRアジアサミット2014が香港で開催された。CSRアジア10周年となる今年のサミットは過去最大規模となる31ヶ国、528名の参加者が集まり、2日間に渡って様々なトピックについて議論した。参加者は欧米企業のアジア地域CSR責任者、アジア企業のCSR責任者、アジアのCSRコンサルタント、NGO関係者まで幅広く、非常に活気の溢れる2日間となった。
10年目となる今年の主なテーマは、過去10年間のアジアにおけるCSR実践を振り返りつつ、次の10年に向けてアジアのCSRはどう変わっていくのかについて議論を深めること。テーマごとの分科会ではサプライチェーン、人権、気候変動、レポーティング、ESG投資、スキルベースド・ボランティア、サステナビリティ戦略、インパクト測定、インクルーシブ・ビジネス、従業員エンゲージメント、NGO連携などあらゆるテーマが話し合われ、欧米企業のアジアCSR責任者、アジアの大手企業CSR責任者、NGOの代表らプレゼンテーションやパネルディスカッションを行い、参加者らと活発に意見交換を行った。
分科会では欧米企業のCSR責任者らに対して積極的に質問を投げかける中国、香港などアジア企業の担当者の姿が印象的だった。今回はパネラーの多くを欧米企業の担当者が占める形となったものの、"Sustainable Luxury Vision 2020"というビジョンを掲げてサステナビリティに取り組むThe Hongkong and Shanghai Hotels(香港&上海ホテルズ、ペニンシュラなどを運営)などをはじめ、アジア企業の中にも確実にサステナビリティの波が浸透しつつあることを実感させる内容だった。
サミット当日には、Channel NewsAsia、CSRアジア、Sustainalyticsの共同のもと、アジアでは初となるサステナビリティランキング、"Channel NewsAsia Sustainability Ranking"も発表された。同ランキングはアジアの中でもっともサステナビリティ・パフォーマンスに優れる企業トップ100社を格付けしたもので、国ごとのトップ3も紹介された。残念ながら日本については同ランキングの格付対象外となっている。
また、最終日のセッションでは今回のサミットの中でも特に盛り上がりを見せていたサステナビリティ報告の話題についても触れられ、CSRアジアの代表を務めるRichard Welford氏は「ほとんど読まれもしないような100ページ以上の報告書をただ作るだけではもう十分ではない。情報開示の義務化やステークホルダーからより見やすさを求められる中で、我々はいかに私たちのメッセージを伝えるかについて革新的に考える必要がある」と述べ、現状のサステナビリティ報告を未来に向けてよりよくしていく意思を共有した。
次回のCSRアジアは来年10月7、8日にマレーシアのクアラルンプールで開催される予定だ。Sustainable Japanのイベント当日レポートは下記から。
【イベントレポート】【戦略】アジアCSRの最新事情 CSRアジアサミット2014参加レポート
【企業サイト】CSR Asia
【参考サイト】Channel NewsAsia Sustainability Ranking
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