新会社法の制定により大手企業に対するCSRの義務化が始まったインドでは、CSR関連市場の動きが盛り上がりつつある。
グローバルに慈善活動支援事業を展開しているNPOのGlobal Impactは12月2日、昨年8月にインド政府が新会社法で定めたCSR義務化の動きに対応して、インドで事業を展開している企業に対するCSR支援サービスを新たに開始したと発表した。今後、Global Impactは既にインド国内で活動している慈善団体に対する投資の仲介や、新会社法が定める要件に沿ったコンサルティングサービスを通じて企業を支援していく予定だ。
Global Impactは約60年間に渡り、世界120以上の慈善団体と提携しながら活動を展開してきたフィランソロピー分野のグローバルリーダーだ。企業および慈善団体に対する一貫したアドバイザリー、事務局サービス、マーケティング、ファンドレイジングキャンペーンの支援などの統合型慈善活動プラットフォームを通じて社会課題の解決に取り組んできた。
同団体の提携団体のうち約50の慈善団体は既にインド国内で活動基盤を確立しており、企業に対して幅広い投資・寄付オプションを提供している。新会社法への迅速な対応を望む企業は、同団体の慈善団体ネットワークをすぐに活用することができるだけでなく、新会社法に沿った事務手続きやCSR戦略立案、ガバナンス、 レポーティングといった新会社法の要求事項に対応したコンサルティングも受けられる。
企業のCSR義務化を盛り込んだインドの新会社法は2013年8月に議会を通過し、CSRに関する要求事項は2014年4月1日から施行されている。具体的には、インドで事業を展開している国内・海外企業に対して、インド国内で過去3年間にあげた純利益の平均の少なくとも2%以上をCSR活動に充当するといった独自のルールや、CSR戦略・政策の策定、実施メカニズムやパートナーの選択、プロジェクトプランの策定、CSR活動報告などが義務づけられている。
なお、この対象となるのは、インド国内の事業において下記要件を満たした企業だ。
- 純資産が8億ドル以上
- 売上高が16億ドル以上
- 純利益が800万ドル以上
インドではCSRの義務化に伴い今後もGlobal ImpactのようなCSR支援サービスが増えることが予想される。同様の動きとしては、先月11月24日には電通インドのソーシャルセクター部門 Citizen Dentsuが、UNFPA(United Nations Population Fund)Indiaとの提携によりインドの広告代理店としては初となる企業向けCSRアドバイザリーサービスの開始を発表したばかりだ。
インドでは、CSRの義務化が事業会社やCSR支援会社、NPOなど様々なステークホルダーに新たな機会を生み出している。
【団体サイト】Global Impact
(※写真提供:Radiokafka / Shutterstock.com)
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