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【アメリカ】サステナビリティ実現の鍵は「協働」と「経営層の関与」

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経営層の96%がサステナビリティ課題の解決には協働が必要であり、86%が企業のサステナビリティ活動においては経営陣が大きな役割を担うべきだと考えている。そんな興味深い調査結果が明らかになった。

ボストンコンサルティンググループ(以下、BCG)および国連グローバルコンパクトは1月13日、MIT Sloan Management Review(以下、MIT SMR)上で、企業のサステナビリティ活動においては競合企業やサプライヤー、政府、NGOなど他のステークホルダーとの協働および経営層が果たす役割が極めて重要だとする調査レポート”Joining Forces: Collaboration and Leadership for Sustainability”を公表した。

同レポートは113ヶ国、3795名以上の企業経営者・管理職層らを対象とする調査に基づくものだ。レポートによれば、サステナビリティ関連のパートナーシップに参画している企業の経営層の61%が、サステナビリティ活動の成功において「協働」は非常に効果的だという認識を示している。一方で、協働は未だ一般的な取り組みとはなっておらず、調査回答者の90%が協働の重要性を認識しているものの、実際に自社が積極的に他のステークホルダーと協働していると回答した割合は47%しかなかった。

MIT SMRの編集責任者で同レポートの共著者でもあるDavid Kiron氏は「協働は未だに一般的ではないものの、協働を実践している企業においては、変革に向けた戦略的な結果がもたらされているケースがますます増えてきている」と語った。また、「報告されている協働の半分以上が、事業を展開している市場の根本的な変化を目指しており、それ故にサステナビリティ活動は断片的なプロジェクトではなく、サプライヤーや顧客から政府、学術機関まで企業全体のエコシステムを巻き込んだものになってきている」と付け加えた。

また、同レポートでは協働に関する企業の経験曲線も示されている。現在1~3のサステナビリティ活動を協働している組織の中で、協働プロジェクトはとても上手く行っていると回答した割合は43%だったのに対し、50以上の協働を経験した組織は95%が上手く行っていると回答したという。

さらに、サステナビリティ活動を成功させるための鍵として経営陣が関与する重要性も指摘されている。回答者の86%が経営層は企業のサステナビリティ活動において大きな役割を担うべきだと考えているにも関わらず、実際に自社のサステナビリティ課題に対して経営層が適度にまたはそれ以上に積極的に関わっていると回答した回答者の割合は42%しかいなかった。

この差異は実際の活動パフォーマンスにも影響を与えており、経営層がサステナビリティに積極的に関わっていると認識されている企業においては、回答者の67%が協働は大きな成功をもたらしたと評価している一方で、そうではない企業の場合、協働が良い結果をもたらした、と回答した割合は半分以下だった。

国連グローバルコンパクトのエグゼクティブディレクターで同レポートの共著者でもあるGeorg Kell氏は「企業活動や投資活動が地球の隅々まで行き渡ったことで、企業はより複雑な不確実性やESGリスクに直面するようになってきている。汚職、気候変動、差別といった課題の多くは一つの組織による取り組みだけで対処することはできず、これまでにはない形で複数の企業が協働して取り組むことが決定的に重要となる。企業らは、共同で声を上げ、リスクや資源を共有することで、企業と社会の双方に利益をもたらす、変革力のある解決策を提供できるようになることに気づき始めている」と総括した。

自社のサステナビリティ活動で成果を上げるためには、協働の価値に対する経営層の理解を深め、いかに他のステークホルダーと有機的な連携を築くことができるかが鍵を握ると言える。レポートの詳細は下記から確認可能。

【レポートダウンロード】Joining Forces: Collaboration and Leadership for Sustainability
【企業サイト】Boston Consulting Group
【団体サイト】United Nations Global Compact
【企業サイト】MIT Sloan Management Review

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