【国際】世界銀行、2100年までのCO2排出量ゼロ実現に向けた3ステップを提示 2015/06/09 最新ニュース

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 世界銀行は5月11日、2100年までに世界のCO2排出量ゼロを実現するための道筋についてまとめた報告書、”Decarbonizing Development: Three Steps to a Zero Carbon Future“を公表した。同報告書は現在の政府や企業でも実施可能な政策オプションに焦点を当てており、先進国および発展途上国の政策担当者が、幅広い開発目標を追求すると同時に温室効果ガス排出削減の優先順位を上げる支援を目的とするものだ。

同報告書は、気温上昇を2℃以下に抑えるためには低炭素化への投資を促進するインセンティブづくり、貧困層を支援するメカニズムと企業の低炭素化移行への後押し、そして破壊的な成長パターンの固定化を回避することがベースとなるとしており、2100年までのCO2排出量ゼロ実現に向けて各国政府らに対して下記3ステップを提示している。

  • 第1ステップ:将来の低炭素社会の実現に向けた計画の策定
  • 第2ステップ:投資パタ-ンの変化を可能にする政策の実施
  • 第3ステップ:最も影響を受ける地域・人々を保護し、スムーズな移行を実現

 第1ステップとなる計画段階においては、各国に対して脱炭素化と矛盾のない長期的目標の定義、および目標達成に貢献する国別の事情を考慮した分野別の短期的な計画の策定を求めている。

 また、第2ステップとなる政策については、各国政府らに対して炭素価格、化石燃料補助金の見直し、生態系サービスへの支払い(PES)を通じた「正しい価格設定」と、パフォーマンス基準の設定、環境配慮商品への減税措置、その他財政政策などを通じて低炭素の価格優位性を実現する「価格の超越」の両方を求めている。

 そして最後の移行ステップにおいては、炭素価格の導入や環境に有害な補助金の削減により生まれた追加の資源を活用すれば、気候変動の影響をもっとも受けやすい人々を保護し、必要であれば同時に強烈なロビーイングを展開する反対論者をなだめることもできるとしている。

 世界銀行は報告書の中で「もし各国政府が直ちに取り組みを始めるならば、実質ゼロ排出への移行は可能」だとしつつ、行動の遅れはコストの上昇につながると警告している。脱炭素化の進展に向けた方策としては、電力源のクリーンアップ、炭素ゼロの電力使用の増加、エネルギー効率の改善、スマート農業や土地・森林保護を通じた炭素吸収源の保全を挙げている。 

 さらに、同報告書は「収入レベルも保有する資源も異なる国々はそれぞれ異なる戦略をとることになるが、全ての国々に、果たすべき役割がある」とした上で、例えば低収入の国は貧困緩和と一貫性がある政策を重視するなど、各国が自国のニーズ、実施機関、そして将来の展望というそれぞれのコンテクストの中で上記の3ステップを解釈する必要があると指摘している。

 各国の状況や事情はそれぞれ異なるものの、世界全体として目指さなければならないゴールは一つしかない。気温上昇を2℃以下に抑え、世界全体の持続可能な発展を実現することだ。今年の年末にパリで開催予定のCOP21を控え、各国政府には最後の意思統一が求められている。

【レポートダウンロード】Decarbonizing Development: Three Steps to a Zero Carbon Future
【参照リリース】New Report Shows How to Decarbonize Development with 3 Steps to a Zero Carbon Future
【団体サイト】World Bank

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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