玩具世界大手のレゴグループは6月16日、自社製品およびパッケージに使用する素材を従来の石油由来の素材からサステナブルな新素材へ切り替えるための研究開発および実用化に向け、10億デンマーククローネ(約185億円)の投資を行うと発表した。今後、同社は2015年から2016年にかけて「レゴ持続可能な素材センター(LEGO Sustainable Materials Centre)」を本社デンマークのビルンに設立し、全部門および従業員が新規素材の開発に注力する体制を構築する。また、新たに100名の専門家を採用するとともに全世界の関連する国と地域にサテライト機能を併設、外部のステークホルダーや専門機関とも連携する。
同社のCEO兼社長を務めるJørgen Vig Knudstorp氏は「今回の決定はサステナブルな素材に関する2030年までの目標に向けての重要な第一歩である。これまで梱包材のサイズ変更やFSC認証済パッケージの導入、海外の風力発電事業への投資により地球環境保全活動を行ってきた。今回は素材そのものに目標を引き上げる」とコメントした。
レゴグループは「2030年までに自社製品の素材にサステナブルな素材を実用化する」という全社目標を2012年に掲げ、2014年には代替素材を活用して600億パーツを製造し、既に地球環境負荷の大幅な削減に成功している。また、近年では多くの企業や専門家らと連携を図っており、2013年にはWWF(世界自然保護基金)とサステナブルな素材の戦略策定に関する契約を締結し、今年の春には同団体とレゴ製品、梱包用の新たなバイオ素材のサステナビリティ・環境負荷測定に関する協力合意を締結している。
同社のオーナーであり創業家にあたるKjeld Kirk Kristiansen氏は「我々の使命は将来の担い手を育むことにあり、子どもたちにクリエイティブな遊びの経験を提供することはまさにこの使命を全うする取り組みだ。今回発表された長期投資は、子どもたちが受け継ぐ地球環境に有益な影響を与えるものであり、レゴグループの目標に叶うものだ」と語る。
世界中の子どもたちに親しまれるレゴブロックが、子どもを育むと同時に彼らの住む環境を保全する取り組みは、全世界の親が歓迎するところでもあり、企業経営の理想的なあり方でもある。創業一家および役員の今回のコミットメントには企業経営の側面からも学ぶ点が多い。投資による成果が製品に反映され、サステナブルな好循環が実現することが期待される。
【参照リリース】LEGO Group to invest 1 Billion DKK boosting search for sustainable materials
【企業サイト】LEGO Group
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