信用格付世界大手S&Pグローバル・レーティングは8月16日、金融安定理事会(FSB)の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)が推奨する情報開示と同社が行う信用格付の関連性に関してコメントを発表。将来的にTCFDの情報開示が信用格付に反映される可能性を示唆した。
同社は、企業業績に影響を与える重大なESG要因については、すでに現行の信用格付にも反映されているとしつつ、気候変動関連のデータは現状では比較可能な共通データが存在せず、十分に考慮することができていないと現状を確認。しかし、今後TCFDの推奨ガイドラインが浸透し、将来的に多くの企業から比較可能なデータが提供されるようになれば、同社にとって考慮すべき重要な材料になるだろうとした。しかし、TCFDガイドラインは、任意遵守の性質のものであるため、比較可能なデータが揃るまでは、信用格付に大きなインパクトはないだろうと述べた。
同社はまた、気候変動リスクと信用格付が見通すデフォルトリスクの時間軸のズレから生じる難しさについても言及した。現状では、BB+以下の投機的格付については一般的に将来予見性が2年未満、BBB-以上の投資適格格付でも将来予見性は5年未満しかないのに対し、気候変動は長期にわたるリスク。しかし、同社は、気候変動がもたらすリスクや機会が高い精度で見通せるようになれば、格付への反映要素になるだろうと見解を伝えた。
【参照ページ】How the Recommendations of the Task Force on Climate-Related Financial Disclosures May Figure Into Our Ratings
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