【オランダ】シェル、気候変動シナリオ分析結果発表。座礁資産化するリスク「ほぼない」 2018/04/17 最新ニュース

 エネルギー世界大手蘭ロイヤル・ダッチ・シェルは4月12日、低炭素化に対する自社の戦略についての報告書「Shell Energy Transition Report」を発表。低炭素エネルギーに対する世界の需要は高まる中、同社の化石燃料資産が「座礁資産」化するリスクは小さいとの見方を示した。同社に対しては、国際環境NGOのFriend of the earth(FoE)のオランダ支部が、気候変動への責任で訴訟をちらつかせており、同報告書はNGOや株主等ステークホルダーに対し同社の見解を示したものとみられる。

【参考】【オランダ】環境NGOのFoE、気候変動問題でロイヤル・ダッチ・シェルを提訴する考え表明(2018年4月8日)

 同社は今回、高まる気候変動への関心を反映し、気候変動を産業革命以前から1.75℃未満に抑えた場合のシナリオ「Skyシナリオ」を新たに用意。電気自動車(EV)化が進む影響を鑑み、世界全体の乗用車新車販売の半数が2030年までにEVになり、2050年までに内燃機関自動車は世界中で販売できなくなると仮定した。このシナリオ下でも、エネルギー全体に占める化石燃料の割合は今後減少していくものの、世界のエネルギー需要全体は伸びるため、原油需要は2025年までは毎年1%増加。その後、2040年までは毎年1%ずつ減少し、2050年には現在より78%少ない水準となるとした。2070年でも、船舶やトラック等の重量輸送や石油化学工業での原油需要は継続するとした。一方ガスは、2025年まで2%増、2030年まで1.5%増となり、2030年代中頃から0.5%減少するだろうとした。

 同社は、このシナリオを用い、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)ガイドラインが求めるシナリオ分析を実施。現在保有する確認埋蔵量のうち80%は2030年までに採掘されると見通し、座礁資産化するリスクは小さいと結論付けた。原油相場については、今後1バレル40米ドルから100米ドルの間を推移すると想定。仮に40米ドルと低い相場になったとしても原油採掘で利益を上げられる体制だと自信を示した。

 同社はまた、再生可能エネルギーへの転換のため、2020年まで毎年20億米ドルを同分野に投資し、その後さらに拡大すると表明。同社は昨年12月、2050年までに二酸化炭素排出量を半減すると宣言している。

【参考】【オランダ】シェル、2050年までに二酸化炭素排出量を半減。3年間で再エネ投資2千億円(2017年12月25日)

 石油ガス事業の将来性については、米エクソンモービルも2月2日、気候変動への規制が強化されても同社事業には「ほとんどリスクがない」と言明している。

【参考】【アメリカ】エクソンモービル、2度シナリオ分析報告書公表。石油採掘投資は必要。リスクほぼない(2018年2月9日)

【参照ページ】SHELL PUBLISHES NEW REPORT ON STRATEGY FOR ENERGY TRANSITION

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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