英金融当局のFCA(金融行為規制機構)とPRA(健全性監督機構)は5月11日、金融大手バークレイズのジェス・ステーリー・グループCEO個人に対し、同社内の内部通報の対応に不適切な行為があったとし、各々321,200ポンドと321,230ポンド、合計642,430ポンド(約1億円)の罰金を科した。同時に、バークレイズ取締役会も不適切行為が合ったとされた2016年の変動役員報酬を50万ポンド(約7,500万円)減額することを決定した。バークレイズは、取締役会議長とCEOが分離している。
FCAとPRAによると、2016年にステーリーCEOも当事者になりうる案件で匿名の内部通報ががあり、コンプライアンス部門が対応に当たったが、ステーリーは内部通報を行った人物を特定しようと動いたという。FCAとPRAは、同行動は、重大な内部通報ルール違反であり、英国の内部通報法が規定する「シニアマネジャー制度」に抵触すると判断。本人の責任を追及した。また同時に、同社の内部通報制度も十分に機能していないと判断した。
FCAとPRAは、ステーリーCEOの罰金額は、同年に受け取った役員報酬のわずか10%にしかすぎないと語る。しかし、それでも、シニアマネジャー制度が適用されるのは今回が初。両当局はバークレイズに対し、今後毎年、当事者となる経営幹部(シニアマネジャー)を対応から外す内部通報制度が機能しているかを毎問FCAとPRAに報告する義務を負うことも決めた。
ステーリーCEOは、自身の行為が不適切だったと認めている。早くから当局の捜査に協力したことで、同士の罰金額は当初より30%減額された。
【参照ページ】FCA and PRA publish final notices following investigation into Jes Staley
【参照ページ】FCA and PRA jointly fine Mr James Staley £642,430 and announce special requirements regarding whistleblowing systems and controls at Barclays
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