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【国際】TWI2050イニシアチブ「現状ペースでは2030年にSDGsは達成困難」。6つの構造転換提言

 国際的なサステナビリティ研究機関の国際応用システム分析研究所(IIASA)は7月10日、国連持続可能な開発目標(SDGs)達成に向け、必要となる構造的転換を行うためのバックキャスティング・モデリング分析プロジェクト「The World in 2050(TWI2050)」イニシアチブの新レポートを発表した。こSDGs達成に向け6つの構造的転換が必要とまとめた。発表は、7月9日から7月18日まで開催されている持続可能な開発のための国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF)の場で行われた。



 IIASAは、1972年10月に東西冷戦下において、東西両陣営の主要国が同等の立場で参加しルクセンブルクに設立。現在、米国、英国、ドイツ、オランダ、オーストリア、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ウクライナ、ロシア、日本、中国、韓国、マレーシア、インドネシア、ベトナム、インド、パキスタン、イラン、南アフリカ、エジプト、ブラジル、メキシコ、オーストラリアの24ヶ国の研究者が参加している。TWI2050イニシアチブは、2015年にSDGsが制定された直後に発足した。



 今回のレポートは、同イニシアチブに参加する20機関から60人以上の研究者が執筆に参加。IIASA、ストックホルム・レジリエンス・センター(SRC)、持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)、ドイツ開発研究所(DIE)、ポツダム気候影響研究所(PIK)、オランダ環境評価庁(PBL)、アリゾナ州立大学(ASU)、ワシントン大学、コロンビア大学、アルペン・アドリア大学クラーゲンフルト、国立環境研究所(NIES)、地球環境戦略研究機関(IGES)等。



 分析した主要な6つの構造的転換は、

  • 教育・ヘルスケアのさらなる改善とそれに続く所得向上と環境的な意思決定の改善を通じ人間の能力の実質的な発展が必要
  • サーキュラーエコノミーと消費需要減少による省資源生産
  • 再生可能でコスト効率の良いエネルギーを提供することによる2050年までの脱炭素エネルギーシステム構築
  • 農業生産性向上や肉類消費減少等を通じた栄養のある食品及び清潔な水へのアクセス達成
  • スマートインフラ、ディーセント住宅、高コネクティビティ等を備えた都市への転換
  • IT革命等を通じた科学技術・イノベーション

 同レポートによると、現在のペースでは2030年までにSDGsを達成することはできない。30数億人は未だ近代的な調理設備や衛生設備を享受できておらず、10億人は飢餓状態や電気へのアクセスができない。工業化がもたらす気候変動や生物多様性の減少に苦しんでいる人もいる。6つの構造的転換を実現するには、政治的コミットメントの強化が必要と提言した。

【参照ページ】Six transformations needed to achieve the UN Sustainable Development Goals: major report launched
【レポート】Transformations to Achieve the Sustainable Development Goals. Report prepared by The World in 2050 initiative

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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