国連責任投資原則(PRI)と金融業界の気候変動対応を促す国際イニシアチブ2° Investing Initiative(2°ii)は9月3日、機関投資家向けの気候変動移行リスク評価ツール「PACTA tool」の最新版を公開した。米カリフォルニア州保険庁も、同ツールを正式に支持することを表明した。
同ツールは、機関投資家の実際のポートフォリオと、パリ協定での2℃目標シナリオとの乖離(ギャップ)状況を分析できる。対象アセットは、株式と債券の双方。分析は気候変動の複数シナリオで分析が可能で、ギャップ状況は、セクター、地域、シナリオ等のファクター毎にグラフで可視化もできる。分析結果は、30ページの分析レポートとして自動的に生成される。分析結果はツールを使用した機関投資家だけに秘匿される。ツール利用は無料。
2°iiが開発した旧版ツールは、すでに世界で約250以上の機関投資家が活用し、その多くはPRI署名機関。また、スイス連邦政府、米カリフォルニア州、ドイツ連邦銀行等4つの政府規制当局も同ツールを使用した。
PRIは、同ツールを、PRIが支持する気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)ガイドラインに基づく情報開示に資するものと表明。特に、エネルギー移行について有益な情報を得られるとした。米カリフォルニア州保険庁も、州内の保険会社の気候変動リスク・ストレステストのモデル開発で2°iiを頼っており、今回のツール発表を歓迎した。
【参照ページ】Launch of first online and free climate scenario-based analysis tool
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