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【国際】IAIS、保険セクター・システミックリスク対応の市中協議文書公表。流動性、気候変動等

 保険監督者国際機構(IAIS)は11月14日、保険セクターのシステミックリスクに関するフレームワークを整理した市中協議文書「保険セクターのシステミックリスクに対する包括的枠組み(Holistic Framework for Systemic Risk in the Insurance Sector)」を公表した。1月25日までパブリックコメントを募集する。2020年から導入する計画。

 同文書は、システミックリスクへのアプローチを進化させる手法として、「集団活動、保険業界全体のエクスポージャー、個別保険企業の苦境や無規律による失敗に起因するシステミックリスクの考慮」「保険業界による潜在的なシステミックリスクと他の金融システムを比較し業界横断のシステミックリスク観点への対応」「グローバルなシステム上重要な保険会社(G-SIIs)を対象としたアプローチから保険業界全体へのシステミックリスクを引き起こしうるエクスポージャーや活動を対象とする政策を強化するアプローチへの転換」という3つの観点を提示した。日本には現在、G-SIIsに該当する保険企業はない。

 それに向け、マクロプルーデンス観点での保険監督行政の強化、IAISによる保険システミックリスク監視の強化、システミックリスクが発覚した場合の保険監督当局の介入、国際的に一貫したフレームワークの適用、保険監督当局に対するフレームワーク適用状況の評価の5つを実施する考え。

 システミックリスクをもたらす可能性のある要因については、流動性リスク、マクロ経済エクスポージャー、カウンターパーティー・エクスポージャー、代替性の欠如の3つを挙げ、さらにその他要因として、サイバーリスク、金利改定リスクの可能性がない状況で準備金不足が蔓延するリスク、気候変動リスクを挙げた。

 金融安定理事会(FSB)は、IAISの市中協議文書を歓迎。2018年にG-SIIsの特定をしないことを決めたと発表した。FSBは2017年にもG-SIIsの特定を見送っており、2016年にG-SIIsに指定された9社に対しては、2017年2月に更新されたより高い損失吸収能力(HLA)、グループ全体の監督強化、グループ破綻処理可能性と破綻処理計画の定期評価が義務付けられている。今回、IAISがG-SIIs指定によるシステミックリスク管理から、業界全体のシステミックリスク管理に移行する姿勢を明確にしたことで、FSBは2020年以降G-SIIs指定を停止する考えも示した。

【参照ページ】Public Consultation: Holistic Framework for Systemic Risk in the Insurance Sector
【参照ページ】FSB welcomes IAIS proposed insurance systemic risk framework and decides not to engage in an identification of G-SIIs in 2018

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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