国際環境NGO9団体は4月10日、機関投資家の気候変動対応イニシアチブClimate Action 100+の賛同機関のCEOに対し、1.5℃目標のためにイニシアチブの取り組みを強化するよう求める共同声明を発表した。参加した9団体は、グリーンピース、レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)、Follow This、シエラクラブ、ShareAction、ACCR、preventable surprises、JUST SHARE。
Climate Action 100+は、国連責任投資原則(PRI)と、気候変動対応を企業に求める4つの世界機関投資家団体である欧州のIIGCC(Institutional Investors Group on Climate Change)、米国のINCR(Investor Network on Climate Risk)を運営するCeres、オーストラリア・ニュージランドのIGCC(Investors Group on Climate Change)、アジアのAIGCC(Asia Investor Group on Climate Change)が2017年9月28日に発足。現在、機関投資家323機関が参加しており、運用資産総額は33兆米ドル(約3,700兆円)に上る。
BPやロイヤル・ダッチ・シェルでは、2019年の株主総会に向け、Climate Action 100+と、Follow Thisを中心とした環境NGO側の双方から株主提案が出される事態が発生。経営陣は概ねClimate Action 100+の提案を支持し、より厳しい対応を求めるFollow Thisの提案には反対を推奨する立場を取っている。そのため、今回の共同声明は、Follow This側は、Climate Action 100+の賛同機関に対し、同様により厳しい対応を企業側にエンゲージメントするよう求めたものと言える。
【参考】【国際】機関投資家の気候変動団体Climate Action 100+、エンゲージメント対象企業を61社追加(2018年7月6日)
Climate Action 100+は、カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)、HSBCグローバル・アセット・マネジメント、マニュライフ・アセット・マネジメント、オーストラリア・スーパー、Ircantecが主導。現在の賛同機関には他に、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、カリフォルニア州教職員退職年金基金(CalSTRS)、ニューヨーク州年金基金、ニューヨーク市年金基金、ERAFP(フランス公務員退職年金基金)、AP1、AP2、AP3、AP4、AP7、Aviva Investors、PGGM、ABP、USS、アクサ、アクサ・インベストメント・マネージャー、アリアンツ、アリアンツ・グローバル・インベスターズ、エイゴン、エイゴン・アセットマネジメント、シュローダー、BNPパリバ・アセットマネジメント、UBSアセットマネジメント、ノーザン・トラスト・アセット・マネジメント、リーガル&ゼネラル・インベストメント・マネジメント(LGIM)、M&Gインベストメント、ピクテアセットマネジメント、Robeco、RobecoSAM、ピムコ、アムンディ、Mirova、ナティクシス・アセットマネジメント、アライアンス・バーンスタイン、ニューバーガー・バーマン、アバーディーン・スタンダード、カルバート、ハーミーズ・インベストメント・マネジメント、ボストン・コモン・アセットマネジメント、アセットマネジメントOne、三井住友信託銀行、三菱UFJ信託銀行、日興アセットマネジメント、損保ジャパン日本興亜アセットマネジメント、富国生命投資顧問、りそな銀行、秋田銀行等。
今回の共同声明でのCimate Action 100+に対する要求事項は、
- 2℃未満ではなく1.5℃目標へのコミットメント
- スチュワードシップ部門やコーポレートガバナンス部門だけでなく、運用部門まで含めた全体でのClimate Action 100+へのコミットメント
- 議決権行使を使った目標達成へのコミットメント
- 取締役会が協力的でない企業からのダイベストメントや、NGO等が提出する株主提案への支持
- エンゲージメント対象企業に銀行セクターも追加
- 二酸化炭素排出量の多い企業が反気候変動対応政策のための行うロビー活動を止めさせるイニシアチブへの参加
- 現在取り組みが進展しているように見える欧米だけでなく、アジア、アフリカ、中南米での取り組みの透明化
- NGOとの連携強化
【参照ページ】CA 100 Leter
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