米電気自動車(EV)大手テスラは6月29日、2017年にオーストラリアに建設した世界最大のリチウムイオンバッテリー蓄電システム「Megapack」が、初年度だけで電力コストを4,000万豪ドル(約30億円)分削減でき、同地域の電力供給網の安定化に寄与していることを発表した。
同社は、発電所の膨大な電力貯蔵の需要に応えるために、新たな蓄電製品としてMegapackを設計。同製品により大規模蓄電の複雑さは大きく改善し、導入・接続プロセスの簡易化を可能にした。具体的には、設備容量250MW規模の電力を二酸化炭素排出量ゼロで提供できるだけでなく、1GWh規模の発電所でも3ヵ月以内に設立することが可能。これは同規模の化石燃料火力発電所の4倍もの速さとなる。また、Megapackは太陽光発電に直接直流接続し、シームレスな再生可能エネルギー発電所を作り出すこともできる。
テスラは自社製のソフトウェアを開発し、 Megapack導入の監視、統制、収益化を行っている。全てのMegapacksは大規模発電所や小規模発電網向けの高度な監視、統制プラットフォームのPowerhubに接続されている。また、Megapacksの運営は、同社が開発した電力自動取引用の機械学習プラットフォーム「Autobidder」にも接続。同プラットフォームは、電力100GWhの取引を実行している。
テスラは昨年だけでも、世界全体で1GWh分のバッテリーPowerwallやPowerpackを投入。過去累計では2GWhにも上る。今後、世界的に再生可能エネルギーへの移行が進むことが予想される中、高度な蓄電ソリューションの市場は急速に拡大。今後発電量は指数関数的に増加することが見込まれている。
【参照ページ】Introducing Megapack: Utility-Scale Energy Storage
【画像】Tesla
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