エネルギーアクセス向上の国際官民連携イニシアチブSustainable Energy for All(SEforALL)は10月22日、サブサハラ・アフリカとアフリカの後進国20ヶ国のエネルギーアクセス向上を向けたファイナンス状況を分析したレポート「Energizing Finance」の2019年版を発行した。同機関は2017年から同レポートを発行し、今年が3回目。
サブサハラ・アフリカとアジアの後進国では、依然として人口の80%が、電気や健康的な調理熱へのアクセスができていない。国連持続可能な開発目標(SDGs)の目標7では、電気と調理熱へのアクセス率を世界全体で100%にまで引き上げる目標を掲げている。
電力分野へのファイナンスでは、世界全体での電力アクセスを実現するには毎年510億米ドル(約5.5兆円)の投資が必要とされている。それに対し官民のコミットメントは、昨年の300億米ドルから多少改善したが、360億米ドルに留まった。但し、市民の電化に向けたコミットメント額は126億米ドル(約1.4兆円)と、必要額の4分の1で、大幅に不足している。
今回のレポートは、気候変動を踏まえた電力アクセス改善の動向も分析。石炭火力発電への意欲は下がっており、石炭火力発電を中心とした化石燃料火力発電への投資コミットメント額は、昨年の81億米ドルから66億米ドルに減少した。バングラデシュやフィリピンでは、石炭火力発電所4ヶ所に56億米ドルが投資されているが、SEforALLは、石炭火力発電はパリ協定に整合的でないと否定的な見方をしている。
健康的な調理熱では、毎年44億米ドル(約4,800億円)の投資が必要とされているが、コミットメント額は3,200万米ドルと1%にも満たない。
SEforALLに資金拠出している機関は、英国際開発省、ドイツ連邦経済協力開発省、ドイツ連邦環境・自然保護・原子力安全省、オーストリア開発協力庁、アイスランド外務省、デンマーク外務省、スウェーデン外務省、韓国外務省、国連財団、イケア財団、ClimateWorks Foundation、Wallace Global Fund、Charles Stewart Mott Foundation、Kigali Cooling Efficiency Program、Transforming Energy Access。
【参照ページ】Research shows world at a tipping point to meet global energy goals by 2030 without urgent investment
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