英格安航空大手イージージェットは11月21日、同社全フライトのカーボンニュートラルを実現したと発表した。大手航空会社で運航全フライトのカーボンニュートラルを実現したのは同社が世界初。同日分のフライトから二酸化炭素排出量分のカーボンオフセットを購入。カーボンオフセットは、ゴールド・スタンダード財団の「Gold Standard」や、Verraの「Verified Carbon Standard(VCS)」から調達する。
カーボンオフセットは、再生可能エネルギーや植林、省エネ等により削減できた二酸化炭素排出量を第三者機関が評価し、削減分を認証という形で販売するスキーム。京都議定書の中で国際的に確立された。イージージェットは、カーボンオフセットによるカーボンニュートラルは、新技術開発までの暫定措置と位置づけている。技術開発では、エアバスとの間で電気式ハイブリッド旅客機に関する共同研究の実施に合意。短距離用電気旅客機の製造を行うスタートアップ「ライト・エレクトリック」の支援も行ってきた。その他にも、ロールス・ロイスやサフランと協働し、航空機のカーボンフットプリントの削減に取り組んでいる。
同社は2000年以降、カーペットやミールカート、座席の軽量化、シングルエンジンでの地上移動、紙のマニュアルの廃止等により、乗客一人km当たりの二酸化炭素排出量を33.67%削減。2013年には、乗客一人km当たり二酸化炭素排出量削減目標も設定し、2015年に「2022年までに2016年比10%削減」とさらに高い目標を掲げた。
同社は11月11日、ジェット燃料コストが高い地域に航行する場合、低い地域から必要以上の燃料を積み運ぶことで燃費を浮かす「燃料タンカリング」を行っているとBBCから指摘を受けていた。余分や燃料を積んで機体が重くなるため、二酸化炭素排出量の増加に繋がると批判された。今回、オフセットの実施を発表したことで、燃料費の節約は排出量増加による負担増となるため、コストメリットが無くなる。このことから、業界慣行として危惧されていた燃料タンカリングからの脱却が期待される。
【参考】【イギリス】ブリティッシュ・エアウェイズ、「余剰燃料積載」慣行見直し。CO2排出増を反省
【参照ページ】easyJet to become the world’s first major airline to operate net-zero carbon flights
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