信用格付世界大手米ムーディーズは2月10日、ESG課題が負債の信用リスクに与える影響をまとめたレポートを発表した。二酸化炭素排出量の多いセクターの移行リスクの高まりや、天然資源への関心の高まりに伴う、発行体の資源マネジメントの重要性を指摘した。
同レポート「2020 Outlooks」は、気候変動政策の強化に伴い、電力、石油・ガス、自動車、航空、建材、物流等の二酸化炭素排出量の多いセクターの気候変動移行リスクが高まっていると分析。同セクターの将来資産価値の減損やキャッシュフロー減少等への懸念の高まりが、株主資本コストの上昇や、資金調達難を引き起こす可能性があるとした。
また、水や生物等の天然資源に関する今後世間の関心が非常に高まると予測。発行体は、信用リスクの観点から、水不足や生物多様性、土地利用、森林伐採、食料不足等への対応が重要になるとした。
その他のトレンドとしては、高齢化や社会起因の規制によるリスクと機会に言及。高齢化は、すでに欧州や日本で大きな懸念として顕在化しているが、今後新興市場にも発生するとした。また、消費者アクティビズムやサプライチェーン全体の責任ある生産への注目も集まっており、電子たばこ等の特定商品・サービスの規制リスクが高まっている分析した。
【参照ページ】Moody's - ESG plays growing role in credit outlooks for 2020
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