食品世界大手米カーギルは5月13日、消費財世界大手米P&Gが開発した乳酸から植物由来のバイオ・アクリル酸を作る技術の独占的ライセンスを取得したと発表した。同技術により作られるアクリル酸は、衛生用品に使われる高吸水ポリマーや、塗料の増粘安定剤としての活用が期待されている。
同技術は、一年生の作物を原料とするため、再生可能であり、さらに石油を原料とする従来の技術と比較して、二酸化炭素排出量も半分以下に抑えられる。今後の環境に優しい商品の開発に貢献すると期待が高まる。米国化学会(ACS)は、同技術を開発したP&Gの研究者を、2020年の「手頃で環境に優しい化学技術」部門の受賞者として表彰した。
今回の素材は、商品に応用できるにはまだ数年かかると目されている。カーギルは今後、同技術の商業化に向け開発を進めていく予定。バイオ・アクリル酸は大きく注目されている分野。カーギルは、2008年からノボザイムズとパートナーシップを締結し、バイオ・アクリル酸の共同開発を開始。2013年から2015年まではBASFも加えた3社パートナーシップも締結していた。LG化学とアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)も、2019年にバイオ・アクリル酸開発でパートナーシップを締結している。ダウは、OPXBioと提携。日本では、日本触媒や理化学研究所でも研究が進んでいる。
【参照ページ】Procter & Gamble and Cargill collaborate to bring nature-powered innovation, fueling the future for more sustainable products
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