欧州機関投資家大手35団体は5月28日、金融データプロバイダーに対し、投資家における生物多様性のインパクト測定フレームワークを要請する共同声明を発表した。機関投資家としての強い需要を表明し、開発を促すシグナルを送った形。
今回の共同声明を主導したのは、アクサ・インベストメント・マネージャーズ、BNPパリバ・アセット・マネジメント、Mirova、Sycomore Asset Managementの4社。4社は1月、投資家が活用できる生物多様性インパクト測定フレームワーク開発への強い関心を共同で発表。3月3日には、フレームワーク開発の呼びかけを正式に発表し、その後、国連責任投資原則(PRI)のプラットフォーム等を通じて、他の機関投資家にも賛同を募っていた。
【参考】【フランス】大手運用会社4社、投資ポートフォリオの生物多様性インパクト評価プロジェクト開始(2020年1月31日)
今回、共同声明に参加したのは、上記4社の他、アムンディ、アクサ、AVIVA Investors、仏預金供託金庫グループ、ファースト・ステート・スーパー、マニュライフ・インベストメント・マネジメント、ストアブランド・アセット・マネジメント、ボストン・コモン・アセット・マネジメント等。運用資産の総額は6兆ユーロ(約720兆円)。
同共同声明では、フレームワークの重要な原則として、「生物多様性への物理的なネガティブ・ポジティブ・インパクトを考慮するライフサイクルアセスメント(LCA)」「法人、ポートフォリオ、インデックス単位での算定が可能」「発行体の公開情報を主軸とした透明性の高い手法」の3つを定めた。
発起人4社にはすでに、米国、英国、スイス、オランダ、フランス、カナダの6ヶ国から、コンサルティング会社、大学、研究機関、フィンテック企業、金融以外の情報プロバイザー合計30法人からフレームワーク策定に応じる関心が集まっている。
今後フレームワーク策定を委託するパートナーの選定作業に入る。そのため、選定委員を補助する外部諮問委員会としてとして、国連環境計画の世界自然保全モニタリングセンター(UNEP-WCMC)、世界自然保護基金(WWF)フランス、French Foundation for Biodiversity Researchの3団体から委員を招聘した。選定は6月中に始まる予定。
発起人4社は、2020年と2021年を生物多様性にとて重要なタイミングと考えている。2021年1月にはフランスで国際自然保護連合(IUCN)による世界自然保護会議が開催される。それに向け、機関投資家として最大限できることを模索していく考え。
【参照ページ】EUROPEAN INVESTORS RALLY AROUND BIODIVERSITY
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