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【イギリス】ゲノム編集Tropic Biosciences、シリーズBで31億円調達。テマセク、住商等出資

 英バイオテクノロジーTropic Biosciencesは6月4日、シリーズBラウンドで2,850万米ドル(約31億円)を調達したと発表した。主幹事は、シンガポール政府系投資運用テマセク・ホールディングス。同社の調達総額は4,000万米ドル(44億円)。同社はゲノム編集技術を用いた新種の作物を開発し、農家の生産性向上、栄養改善、環境負荷削減を進めている。

 今回の調達額は、英国アグリテックセクターで過去最大。2018年のシリーズAより出資していた機関投資家Pontifax AgTech、Five Seasons Ventures、Tekfen Ventures、Emerald Technology Ventures、Bits x Bites、UK Science & Innovation Seed Fund等は全て、シリーズBでも追加投資した。他にも新たに、欧州住友商事、Genoa Ventures、Agronomics、Skyviews Life Scienceが出資した。

 Tropic Biosciencesは、市場規模が年間は500億米ドル(約5.4兆円)に相当するバナナとコーヒーに注力している。バナナ産業では、過去にはグロス・ミシェル種が主流だったが、1950年代には日本では「つる割病」と呼ばれるフザリウム属の病原菌感染症「Tropical Race 4(TR4)」が世界的に流行し、生産数が激減。TR4は1989年に台湾で再発し、その後東南アジアにも拡大。2013年にはヨルダンでも確認され、世界的な流行が危惧されている。さらにバナナ栽培は今後、気候変動の影響を受けることも予想されている。

【参考】【アメリカ】Boragenとドール、バナナに有害な黒シガトカ病対策の自然農薬開発で協働(2020年5月26日)

 同社は2018年に、独自のゲノム編集技術「GEiGS」を活用し、TR4に耐性のある新種のバナナ開発を開始。中南米と東南アジアで実証テストを実施していく計画。また、より賞味期限の長いバナナや、カフェインを減らし溶解度を高めたコーヒー等の開発も進めている。さらに同社は2020年、米生産にも取り組みを拡大。気候変動が米生産に与える影響を緩和していく考え。

 今回の資金調達では、開発した作物の農場での実証テストや、ゲノム編集技術の商用化の深化、新種の米開発に投じていくという。

【参照ページ】Tropic Biosciences raises $28.5 million Series B financing to transform the massive tropical agriculture industry

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