国際資本市場協会(ICMA)は7月15日、EU欧州委員会の改正サステナブルファイナンス・アクションプランに関し、パブリックコメント募集に応じて提出したコメントの内容を発表した。
【参考】【EU】金融当局、サステナブルファイナンス規制強化でパブコメ募集開始。金融リスクの状況報告も(2020年6月19日)
欧州グリーンディール政策での目標を引き上げたほうがいいかについては、アクションを増やしていくことに賛同したが、現在のサステナブルファイナンス・アクションで定められたアクションだけでも十分との見方を示した。
また、確定拠出年金基金等でのESG投資での運用をデフォルトのオプションにすべきかの設問については「Yes」と回答。パリ協定の達成に向けた事業戦略や目標について企業と金融機関がコミュニケーションをすることが有用かについても「Yes」と回答した。
環境目的とEUの二酸化炭素排出量削減目標と整合性のない企業に対し、投資家が積極的にエンゲージメントを行い、持続可能なビジネスモデルに転換させるべきかという設問には「同意」したが、ファイナンスをしないということにまで踏み込むべきかについては「中立」とした。
今後10年間で金融セクターでサステナビリティをメインストリームにするための課題については、発行体が把握できる明確な定義の不足、専門家の不足、投資対象となるプロジェクト・パイプラインの不足の3つを挙げた。
EU公式グリーンボンド・ラベルの制定については、「EUレベルでは同意」と回答。但し、第三者保証機関の市場まで規制をかけるかについては「No」とし、透明性が高まることは歓迎しつつも、望ましいサービスのあり方については市場原理に委ねるべきとの考えを示唆した。また、公式ラベル・グリーンボンドの発行目論見書等で特定の開示ルールを設けることについては反対した。
【参照ページ】EC consultation on the Renewed Sustainable Finance Strategy - ICMA response
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