オーストラリアのアクチュアリー業界団体Actuaries Institute of Australiaに所属する有志会員は8月31日、同国の石炭火力発電に関する健康悪影響を分析した報告書を発表した。2019年だけで24億オーストラリアドル(約1,800億円)の経済負荷につながっていると分析し、規制の強化を求めた。
同報告書は、豪環境団体Environmental Justice Australiaの依頼に応じて作成されたもので、ピアレビューを実施した上で発表された。分析結果では、石炭火力発電からの大気汚染により、若年死亡約800人、喘息約14,500人、未熟児での出産約850人を引き起こしていると計算。他にもオーストラリア国民210万人が大気汚染にさらされていると分析した。
加えて、これらの健康被害を「疾病負荷」の概念を用いて経済的損失を金額換算した。疾病負荷とは、疾病により失われた人命や生活の質を金額換算し合計したものを指す。その結果、疾病負荷は総額で24億オーストラリアドルとなり、世界保健機関(WHO)の推奨基準値を上回っているという。
同報告書は、オーストラリアの大気汚染規制は、EU、米国、中国よりも劣っているとし、石炭火力発電に対する規制強化を求めた。
【参照ページ】Australians pay a deadly $2.4 billion health bill for coal-fired power
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