製薬世界大手米ファイザーと独BioNTechは1月27日、同社の新型コロナウイルス・ワクチン候補が、英国とアフリカで流行している変異種「N501Y」、英国で流行している変異種「Δ69/70+N501Y+D614G」、南アフリカで流行している変異種「E484K+N501Y+D614G」のいずれでも有効性が確認できたと発表した。同社のワクチン候補は、米国ですでに緊急使用許可(EUA)が出ている。
同社の検査は、ファイザーとテキサス大学が実施。検査結果は論文発表される。ワクチンの有効性を示す中和抗体価は、南アフリカの「E484K+N501Y+D614G」ではやや小さかったが、同社はワクチンで十分対処できる範囲と判断した。但し、ワクチンが効かない証拠が今後出てくることに備え、先んじて研究を続ける。
また米ノババックスも1月28日、同社が開発中のワクチン候補「NVX-CoV2373」が、英国でのフェーズ3の臨床試験で89.3%の有効性が確認されたと発表した。同時に英国で流行の変異種に対しても、予備分析で同様の有効性を確認。南アフリカでのフェーズ2bの臨床試験でも、同国で流行している変異種に対し、92.6%の有効性を確認した。同社は米国とメキシコでもフェーズ3の臨床試験を実施中。ノババックスのワクチンは、日本では武田薬品工業が提携サイトなり、山口県光市の工場での生産を計画している。
変異種に対しては、モデルナが1月25日、英国変異種と南アフリカ変異種の双方で、同社ワクチンの有効性が確認できたと発表している。
【参考】【アメリカ】モデルナのワクチン候補、英国と南アの変異種にも有効。日本では武田薬品が輸入・配布(2021年1月26日)
【参考】【国際】コロナ禍でワクチンナショナリズム発生。世界経済フォーラム、最も経済合理的なのは国際協調(2021年1月11日)
感染力の高い変異種の登場もあり、EUでは新型コロナウイルスが再び広がってきている。欧州委員会は1月25日、EU理事会に対し、移動規制を強化するため、感染の地域毎の警戒レベル色分け制度で、最上位の「ダークレッド」を新たに新設することを提案。EU理事会は1月29日、合意した。過去2週間の感染者が10万人当たり500人を超えた地域がダークレッドで表示される。
【参照ページ】IN VITRO STUDIES DEMONSTRATE PFIZER AND BIONTECH COVID-19 VACCINE ELICITS ANTIBODIES THAT NEUTRALIZE SARS-COV-2 WITH KEY MUTATIONS PRESENT IN U.K. AND SOUTH AFRICAN VARIANTS
【参照ページ】Novavax COVID-19 Vaccine Demonstrates 89.3% Efficacy in UK Phase 3 Trial
【参照ページ】Coronavirus: Commission proposes update to coordinated approach on free movement restrictions
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