【国際】WBCSD、サーキュラー・トランジション指標（CTI）2.0版発行。サーキュラーエコノミーの国際算定ガイドライン

　持続可能な発展を目指すグローバル企業団体WBCSD（持続可能な開発のための世界経済人会議）は2月1日、サーキュラーエコノミー度の測定指標ガイドライン「サーキュラー・トランジション指標（CTI）」の第2.0版を発行した。1.0版は2020年1月に発行され、日本語版も発表。約1年ぶりの改訂となった。

　同測定ガイドラインは、企業がサーキュラーエコノミーの実現度を測るための用語の定義や計算式を提示している任意の国際ガイドライン。策定は、WBCSDのCTI開発チームとアドバイザリー・グループが担当しており、グローバル企業30社以上が参画している。

　同ガイドラインの策定作業では、1.0版の策定時には、ダウ、サウジアラビア基礎公社（SABIC）、ロイヤル・ダッチ・シェル、DSM、ミシュラン、ラファージュホルシム、IFF、フィリップス、ノバルティス、ソルベイ、ストラエンソ、アルセロール・ミタル、アクゾノーベル、サイアム・セメント・グループ、マイクロソフト、ラボバンク、アプター、CRH、GRIEF、Sims Metal Management、スエズ、ヴェオリア、ワールプール、KPMG、PwCが参画。日本企業はゼロだった。

　今回の2.0版の策定企業は、ダウ、サウジアラビア基礎公社（SABIC）、ロイヤル・ダッチ・シェル、DSM、ラファージュホルシム、IFF、フィリップス、ノバルティス、ソルベイ、ストラエンソ、アルセロール・ミタル、アクゾノーベル、サイアム・セメント・グループ、マイクロソフト、ラボバンク、アプター、CRH、GRIEF、Sims Metal Management、スエズ、ヴェオリア、ワールプール、KPMG、PwCが継続参画し、新たに、本田技研工業、ダノン、バイエル、グラクソ・スミスクライン（GSK）、ダイムラー、インターナショナル・ペーパー、ランクセス、タイ石油公社（PTT）、セキュリティ・マターズ、シーカも、CHEP、Allnex、ボストン・コンサルティング・グループ（BCG）、CircularIQ、NSが参画した。

　また2.0版のアドバイザリー・グループには、エレン・マッカーサー財団、GRI、CircleEconomy、CIRAIG、Cradle to Cradle Products Innovation Institute、MOV、PACE、SITRAが入っている。

　同ガイドラインは、1.0版で、マテリアルフローに基づいたサーキュラリティパフォーマンスの算定式を定義。また資源効率を示す「クリティカルマテリアル」の算定式や、回収タイプごとの算定式も定義している。また経済性指標として「リニアインフローに対する売上比」も提示し、資源投入量と経済活動を「アンバンドル」させる効率性の算出も促している。その上で、バウンダリーや時間軸等についても考え方を示した。

　今回の2.0版では、水資源のサーキュラーエコノミー化に関する算定式、バイオエコノミーでのガイダンスをするとともに、投資家からの需要の高かったサーキュラーエコノミー事業での売上の算定式も定義した。

　WBCSDは、二酸化炭素排出量算定のデファクト国際ガイドライン「GHGプロトコル」をWRIとともに策定したNGO。サーキュラーエコノミーの分野でもデファクト国際ガイドラインとなっていく可能性が高い。WBDSDは、算定を支援するウェブツールも同時にリリースしている。

【参照ページ】Circular transition framework enhanced with new metrics for water, financial performance and bioeconomy guidance

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所