政府系ファンド(SWF)の国際ネットワークであるソブリン・ウエルス・ファンド国際フォーラム(IFSWF)は2月8日、政府系ファンドの投資運用での気候変動インテグレーションを調査した初の包括的報告書を発表した。リアルアセットのアセットクラスでは、先行して気候変動インテグレーションが始まっていることがわかった。
IFSWFの加盟機関は、UAEのアブダビ投資庁とムバダラ投資公社、カタール投資庁、オマーン投資庁、クウェート投資庁、イラン国家開発基金、リビア投資庁、アゼルバイジャン国家石油基金、ナイジェリア・ソブリン投資庁、アンゴラ・ソブリン・ファンド、セネガル・ソブリン戦略投資基金、ルワンダのアガシロ開発基金、東ティモール石油基金、ロシア直接投資基金、アイルランド戦略投資基金、フランスBPIファイナンス。イタリアCDPエクイティ、スペイン開発金融公社(COFIDES)、中国投資(CIC)、韓国投資公社、シンガポールのGIC、マレーシアのカザナ・ナショナル、ナウル統合信託基金、パレスチナ投資基金、メキシコ歳入安定化ファンド、トルコ・ウェルス・ファンド、カザフスタンのサムルーク・カズィナ、モロッコのイスマール・キャピタル、ボツワナのPula Fund、トリニダード・トバゴの遺産・安定化基金、パナマ貯蓄基金、オーストラリアのフューチャー・ファンド、ニュージーランドのスーパーアニュエーション・ファンド、米アラスカ永久基金。日本のSWFは加盟していない。
またIFSWFには、他に、モンゴルの未来遺産基金、インドの国家インフラ投資ファンド、キプロスの国家投資ファンド、ガイアナの天然資源ファンド、エジプト・ソブリン・ファンドも準会員として加盟している。
今回の報告書は、2017年に仏マクロン大統領の呼びかけで発足したSWFのワーキンググループ「One Planet Sovereign Wealth Fund Working Group(OPSWF)」も協力。同ワーキンググループは、アブダビ投資庁、クウェート投資庁、サウジアラビア公共投資ファンド(PIF)、カタール投資庁、ノルウェー中央銀行インベストメント・マネジメント(NBIM)、ニュージーランド・スーパーアニュエーション・ファンドの6機関が設立メンバーとして参画したが、今では、運用会社も含め、34機関が加盟している。
【参考】【国際】政府系ファンド世界大手6機関、気候関連考慮フレームワーク公表(2018年7月12日)
同レポートでは、回答の93%が、気候変動は投資ポートフォリオにとってのリスクと機会になると回答。88%は、投資プロセスで気候変動を何らか考慮していると答えた。但し、アプローチについては大きな違いが見られた。
また、同報告書は、再生可能エネルギー発電所、省エネプロジェクト、低炭素輸送インフラ整備等のリアルアセットやプライベートエクイティ向けでは、積極的に投資機会の発掘が始まっていることがわかった一方、マルチアセット等のポートフォリオや、全アセットクラスでの気候変動インテグレーションはまだ少数派であることも見えてきた。
【参照ページ】Sovereign wealth funds report material action on climate change
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