【国際】IAASB、サステナビリティ報告の第三者保証ガイダンス発行。デファクト化の可能性大

　国際監査基準（ISA）の設定機関である国際監査・保証基準審議会（IAASB）は4月6日、持続可能な発展を目指すグローバル企業団体WBCSD（持続可能な開発のための世界経済人会議）と協働し、サステナビリティ報告に関する第三者保証ガイダンスを発行した。IAASBの3月の理事会で承認された。

　今回のガイダンスは、国際保証業務基準（ISAE）3000「過去財務情報の監査又はレビュー以外の保証業務」と、ISAE3410「温室効果ガス報告に対する保証業務」に準拠。サステナビリティ報告を含めた「拡張外部報告（EER）」での10個の主要課題について、在り方を示した。EERとは、ESG報告、統合報告、CSR報告、温室効果ガス報告、公共部門のサービス・パフォーマンス報告等の非財務情報開示を全て含む概念。

　内容としては、保証サービス提供者のコンピテンシー・能力、専門的な判断、保証範囲の設定、準拠基準の適切な選定、内部監査プロセス、証拠の入手等に関するものが含まれている。同ガイダンスは、「Non-Authoritative」ガイダンスの位置付けで、義務規範ではないが、監査法人等の第三者保証サービス提供者にとってデファクトスタンダードになる可能性が高い。

　IAASBは今回、「EERに関する信用及び信頼モデル」と「EERに対する保証業務の主要な側面に関する設例」の二つの補足資料も同時に公表した。いずれも、パブリックコメントの際に要望する声が多かったという。

　IAASBは、2017年にWBCSDの支援を受け、同ガイダンスの策定プロジェクトを始動。今回の発行により、同プロジェクトは任務完了となった。ガイダンス策定の資金は、WBCSDとゴードン・アンド・ベティ・ムーア財団が拠出した。

【参照ページ】NEW IAASB GUIDANCE HELPS ADVANCE ASSURANCE FOR NON-FINANCIAL REPORTING

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所