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【国際】英国国教会、Science Based Targets Networkに加盟。企業の自然資本目標設定ガイドライン

 自然資本分野全般での科学的根拠に基づく目標策定を掲げる国際イニシアチブ「Science Based Targets Network(SBTN)」は3月23日、企業向けのスタンダーを開発している「企業エンゲージメント・プログラム」に、英国国教会コミッショナーが機関投資家として初加盟したと発表した。英国国教会コミッショナーの運用資産は87億ポンド(約1.3兆円)。機関投資家と国連及びNGOの連携が一段と進みそうだ。

 Science Based Targets Network(SBTN)は、国連の地球環境ファシリティ(GEF)を中心に活動する団体Global Commons Allianceが2019年に発足したイニシアチブ。気候変動の分野では、世界自然保護基金(WWF)、CDP、世界資源研究所(WRI)、国連グローバル・コンパクト(UNGC)が科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)を先行して運営しているが、Science Based Targets Networkは、気候変動とともに、生物多様性、海洋、土地、水資源の5つの分野を包括的にカバーするイニシアチブを形成している。

 運営母体のGlobal Commons Allianceは、2009年にストックホルム・レジリエンス・センターが「プラネタリー・バウンダリー」の概念を紹介したことを発端に、2015年に地球環境ファシリティ(GEF)が、国際応用システム分析研究所(IIASA)とストックホルム・レジリエンス・センターに、人新世に関するレポートを作成を依頼。そのレポートが2016年に発表され、ついに2019年にシンガポールのイベントの中で、Global Commons Allianceが発足した。

 Global Commons Allianceのリーダーシップ会議の構成員は、世界経済フォーラム(WEF)のドミニク・ウォーレイ取締役員、世界資源研究所(WRI)のアンドリュー・ステアCEO、ポツダム気候影響研究所の(PIK)のヨハン・ロックストーム理事、GEFのカルロス・マニュエル・ロドリゲス事務局長、前GEF事務局長の石井菜穂子・東京大学グローバル・コモンズ・センター・ディレクター、世界自然保護基金(WWF)インターナショナルのマルコ・ランベルティーニ事務局長、持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)のダイアン・ホルドルフ食品・自然専務理事。

 Global Commons Allianceは、2019年から4つの活動を展開。科学者を結集するプロジェクト「Earth Commission」、広告代理店を結集するプロジェクト「Earth HQ」、世界の状況をモニタリングするプロジェクト「Sytems Change Lab」、そして、企業と自治体の目標設定フレームワークを策定する「Science Based Targets Network」。

 Science Based Targets Networkは、パートナー機関として、国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)、WEF、WWF、WBCSD、WRI、PIK、CDP、IIASA、ストックホルム・レジリエンス・センター、BSR、C40、イクレイ、キャピタルズ・コアリション、コンサベーション・インターナショナル(CI)、国際自然保護連合(IUCN)、SDSN等が参画しており、非常に求心力のある団体となっている。

 その中で、企業、機関投資家、コンサルティング企業、業界団体等が加盟できる「企業エンゲージメント・プログラム」には現在、ユニリーバ、ネスレ、コカ・コーラ・カンパニー、ペプシコ、マース、ハーシー、ゼネラル・ミルズ、フィルメニッヒ、ロレアル、ケリング、バーバリー、シャネル、シュナイダーエレクトリック、オーステッド、バッテンフォール、グラクソ・スミスクライン(GSK)、エネル、エンジー、バイエル、カルフール、DSM等が加盟。日本企業ではキリンホールディングスが加盟している。これに今回、英国国教会コミッショナーが加盟した形。

 企業エンゲージメント・プログラムは、2022年までに、自然資本分野全般での科学的根拠に基づく目標策定ガイドラインを開発する計画を進めている。

【参照ページ】Church Commissioners for England first investor to join program to develop science-based nature targets for businesses.

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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