米アグリテック・ベンチャーのサウンド・アグリカルチャーは8月19日、出資ラウンドで4,500万米ドル(約50億円)の資金調達に成功したと発表した。とりわけ独バイエルのインパクト投資部門「Leaps by Bayer」が出資したことが大きな話題となっている。
同社は、植物と土壌の生物学的特性を活用し、食糧生産を抜本的に転換する2つの技術プラットフォームを開発している。1つ目が、オンデマンド育種プラットフォームで、遺伝子組み換え作物(GMO)を使用しないエピジェネティクスで、植物の形質開発を現状の10倍に加速する技術を展開している。同技術では、味覚、栄養、持続可能性、外形の観点からの育種が可能で、通常7年から10年かかる育種サイクルを、半分にまで短縮することができる。
もう一つは、世界の窒素肥料使用量の30%を代替する栄養効率化プラットフォームで、作物が既存のマイクロバイオームからより多くの栄養分を摂取できるようにする特許技術を展開している。第1号製品の「SOURCE」は、とうもろこしや大豆の合成肥料にかわる肥料で、即完売。土壌中の微生物を刺激することで、土壌の栄養素を高めている。試験と使用から得られたデータは、パフォーマンス・オプティマイザーと呼ばれるツールを使い、土壌の種類に応じた精密な散布手法を編み出している。
今回の出資では、Leaps by Bayerの他、Northpond Venturesも出資。また既存の投資家であるCavallo Ventures、Fall Line Capital、S2G Ventures、シンジェンタ・グループ・ベンチャーズも追加出資した。
【参照ページ】Leaps by Bayer Leads USD 45 Million Financing in Sound Agriculture to Accelerate Sustainability Solutions for Food and Agriculture
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