ドイツ連邦経済・気候保護省(BMWK)と連邦環境・自然保護・原子力安全・消費者保護省(BMUV)は3月8日、ロシアのウクライナ侵攻を受け、原子力発電の寿命延長に関する検討結果を発表した。原子力発電の寿命延長は長期的な対策にはならないと結論づけた。
ドイツ政府は、2022年末に原子力発電を全廃することを法定目標として決めている。両省は今回、原子力発電の寿命延長が、ドイツのエネルギー安全保障にどの程度寄与するかを検討。特に、冬の電力不足への対策への寄与を中心に協議した。
今回の分析、現在稼働している原子力発電所の運転を3年から8年の期間継続すること、また2021年に廃止した発電所を再稼働させることを検討。2011年に脱原発を決めた際に、2022年末までしか安全リスクを許容できないとした状況は変わっていないことを確認。その結果、エネルギー供給の安定化については、現状では熱エネルギーも含め、石炭からの代替エネルギーが求められており、原子力発電では解決策にならなず、現状数の少ないガス火力発電への転換以上に原子力発電を推す理由にはならないとした。
また、そもそも短期的な原発の寿命延長に関しては、2022年末までの燃料しか用意はなく、燃料使用ペースを遅くしたとしても、2023年3月末までに使い切ってしまうため、追加的なメリットはないとした。新たに燃料を生産しにいっても、使用は2023年の夏から秋までかかり、そこから許認可手続きをとっても、来年の秋冬の対策にもなりえないとした。原子力発電事業者としても、脱原発を覚悟していると強調した。
【参照ページ】Bundeswirtschaftsministerium und Bundesumweltministerium legen Prüfung zur Debatte um Laufzeiten von Atomkraftwerken vor
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