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【中国】北京市政府、2035年脱石炭燃料ビジョン発表。安全保障のため再エネ転換を加速

 中国の北京市政府は4月1日、2021年から2025年までの第14次5カ年計画期間中の北京市エネルギー発展計画を公表した。その中で、市内発電で2035年までの脱石炭ビジョンを掲げた。同計画は、2月22日に採択されていた。

 今回の発表の計画では、エネルギー計画で2030年ビジョンと2025年目標を定めた。まず、2035年ビジョンでは、2035年までに年間石炭消費量は年間9,000万tでピークアウトさせ、基本的に2035年までに市内の石炭燃料消費量ゼロを実現することを努力目標として設定した。

 さらに2025年目標では、現在の市内のエネルギー消費量に占める市内の石炭消費量割合を、2019年の1.8%から2025年には0.8%にまで削減。天然ガスの割合も2019年の34.6%から2025年には30.6%に、石油の割合も同34.6%から30.6%に減少させる。一方、市外からの電力調達の割合を同25.8%から29.9%へと引き上げる。特に再生可能エネルギーの割合を、2019年の7.9%から2025年には14.4%以上へと大幅に引き上げる。石炭消費に関しては、非常時以外は石炭消費をゼロにするとも宣言した。


(出所)北京市

 北京市政府は、今回の計画の中で、過去のエネルギー転換の成果も強調。大台を含む5つの国有炭鉱の閉鎖、600万tの石炭生産能力の廃止、平野部では石炭消費が基本的にゼロになったと発表した。実績では、北京市の石炭消費量は2015年の1,165.2万tから、2020年には135万tへと大幅削減され、市のエネルギー消費に占める割合は13.1%から1.5%にまで減少したという。う。

 その他の施策では、地中熱ヒートポンプを副都心の行政オフィスエリアに導入され、北京大興国際空港の周辺ではグリーンビルディング化が進展していることも伝えた。コンバインドサイクル発電(熱電併給)の導入も進められている。

 同計画の中では、「人類社会は再生可能エネルギーを中心とした新しいエネルギーシステムと発展モデルに向かって進んでいる。中国は中華民族の偉大な若返りを達成する重要な時期にあり、経済は高速成長の段階から質の高い発展の段階へと移行しており、質の高いエネルギーの開発を加速することは固有の要件であり、質の高い経済発展を達成するための重要な支援となる」と言及。

 また、「今後、国際情勢、地政学、世界的な公共安全保障上の緊急事態などの不確定要因により、中国のエネルギー安全保障上の課題リスクはさらに高まると思われる。第14次5カ年計画期間中、中国における多様で安全かつ自律的なエネルギー供給セキュリティシステムの確立がより急務となっており、増加するエネルギー消費を徐々に再生可能エネルギーに置き換え、輸入化石エネルギーへの依存を減らす必要性がより顕著になってきている」とし、再生可能エネルギー転換が重要との考えを示した。

 エネルギー産業政策としては、「今後、世界ではエネルギー革命とデジタル革命が同時に進行し、技術革新が加速していく。 風力発電や太陽光発電のコストダウンが進み、エネルギー貯蔵や水素エネルギー等の技術のブレークスルーが進む中、エネルギー産業は大きな再編を遂げるだろう。5G、ビッグデータ、AI、IoT等の最新情報技術は従来のエネルギー産業との融合を加速し、新しいエネルギーモデルや新しいビジネスモデルが続々と出現し、エネルギー生産と消費のさまざまな局面に新しい応用シナリオを提示し、将来のエネルギーの供給と需要のあり方と産業の姿を根本的に変化させると予想する。カーボンピーク・カーボンニュートラルの目標を達成することは、エネルギー革命のプロセスを加速させる。そのためには、グリーンで低炭素な主要技術のブレークスルーと、エネルギー産業の基盤とチェーンの近代化が緊急に必要。北京は、中国の一流のイノベーション資源を有する国際的な科学技術イノベーションセンターとして、エネルギー科学技術イノベーションにおいて主導的な役割を果たし、現代の情報技術やデジタル技術と伝統的なエネルギー産業の融合を加速し、グリーン、低炭素、インテリジェントエネルギー開発のための多くの「北京モデル」を創造する条件と責任を負っている」とした。

【参照ページ】北京市人民政府关于印发《北京市“十四五”时期能源发展规划》的通知

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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