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【中国】政府系研究機関、中国のCO2は2027年頃にピークアウトと分析。8大戦略・7つの道筋も提示

 中国の政府研究機関・中国工程院(CAE)は3月31日、第6回イノベーション・新興産業発展国際会議の中で、中国のカーボンニュートラル戦略に関する分析報告書「中国のカーボンピーク・カーボンニュートラル戦略と道程」を発表した。4月15日には、中国発展改革委員会の報道機関も同報告書に言及しており、中国政府の政策に影響を与えていくとみられる。

 同報告書は、中国工程院が、学者40人以上、専門家300人以上を動員し、数十のユニットを組織する大規模プロジェクトの集大成。産業構造、エネルギー、電力、建設、炭素除去等、多方面から分析。8大戦略と7つの道筋として整理した。

 まず同報告書は、中国の二酸化炭素排出量は多く、中国のエネルギー原単位は、世界平均の約1.5倍、EU平均の約2.7倍と指摘。石炭を主要エネルギー源としていることが原因と強調した。反面、時系列では、2020年の中国のGDP当たりの原単位排出量は2015年比で18.7%、2005年比で48.4%少なくなっており、要因として非化石エネルギーの割合が増加していることを挙げた。太陽光発電や風力発電では、再生可能エネルギーの設備容量が世界一になっていることにも言及した。

 今後の予測では、二酸化炭素排出量がピークとなる年は、中国政府がこれまで目標としてきた2030年より早く、2027年頃に迎え、約122億tでピークアウトするとの見方を示した。さらに開発モデルを抜本的に転換することで2060年までにカーボンニュートラルを達成することは可能とした。

 同報告として掲げた8大戦略は、省エネ優先、燃料の海外依存を下げるエネルギー安全保障、非化石エネルギー代替、エネルギー源の電化と発電燃料の転換を主軸とする「再電化」、資源循環、自然環境と人工技術の双方での炭素固定、デジタル化、国際協力の8つを挙げた。同戦略に基づき、中国は経済発展の質と効率を高め、クリーンで低炭素、安全で効率的なエネルギーシステムを構築し、新エネルギーを主軸とした新しい電力システムの構築を加速させられるとした。

 戦略実現に向けた7つの道筋は、まず、経済発展の質と効率を高め、産業構造の最適化と高度化を重要な手段として、経済発展と炭素排出のデカップリングを実現。2つ目は、クリーンで低炭素、安全で効率の良いエネルギーシステムの構築。3つ目は、新エネルギーを主力電源として加速。4つ目は、電化と脱炭素技術の支援。5つ目は、交通・輸送の電動化比率の引き上げ。6つ目は、グリーンビルディングの主要テクノロジー開発による建物の電気と熱でのカーボンニュートラル化。7つ目は、ラストワンマイルとなる炭素除去技術の開発。

 発展改革委員会は、同報告書を受け、非化石エネルギーをエネルギー源の絶対的な主役にする必要があると伝えた上で、石炭・ガスの火力発電は、一種のバックアップ電源として、エネルギー安全保障の補完的な役割を果たすと述べ、CCUS(炭素回収・利用・貯留)技術開発のブレークスルーも必要になるとした。

【参照ページ】实现“双碳”目标离不开关键技术的重大突破

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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