米証券取引委員会は4月28日、ブラジル資源採掘大手ヴァーレに対し、2019年1月のブルマディーニョ尾鉱ダムの崩壊前に、ダムの安全性について虚偽かつ誤解を招く主張を行ったとして、ニューヨーク東部地区連邦地方裁判所に起訴した。同事故では最終的に270人が死亡。時価総額も40億(約5,200億円)以上下がった。同社はニューヨーク証券取引所にも上場している。
【参考】【ブラジル】ヴァーレ所有ダム決壊、死者100人超。当局は105億円の罰金や3500億円の資産凍結(2019年2月3日)
SECの訴状によると、ヴァーレは2016年以降、複数のダム安全監査を操作し、多数の不正な安定証明書を取得。ESG開示を通じ、ブルマジーニョ・ダムの安全性について、地元政府、チキコミュニティ、投資家に対し、定期的に誤解を与えていたという。同社は、同ダムが、安全性に関する国際的な基準を満たしていないことも知っていた模様。だが、同社のサステナビリティレポートやその他の公的書類には、同社がダムの安全性評価において「最も厳格な国際慣行」を順守し、100%のダムが安定した状態にあると認定されていると投資家を欺いていた。
SECは2021年3月、同事案に対する調査タスクフォースを組成。今回ついに起訴に至った。
【参照ページ】SEC Charges Brazilian Mining Company with Misleading Investors about Safety Prior to Deadly Dam Collapse
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