米環境保護庁(EPA)は4月19日、2020年12月制定の米国イノベーション及び製造業法(AIM法)に基づき、ハイドロフルオロカーボン(HFC)の段階的な廃止に向けた活動報告を発表した。
同法は、2019年1月に発効したモントリオール議定書キガリ改正に基づく措置。HFCは主にエアコンや冷蔵庫・冷凍庫の冷媒として使用されている。同庁は、2021年5月に規則案を発表、2021年10月に最終案が発表され、各企業に対するHFCの生産・消費量の割当制度が開始された。
【参考】【アメリカ】EPA、ハイドロフルオロカーボンの段階的廃止でルール案発表。企業割当制度開始へ(2021年5月30日)
これにより、2036年までにHFCの生産・消費量は、EPAが定めるベースライン比で85%削減される予定。2022年から2050年までの二酸化炭素排出量の総削減量は46億tとなり、2019年の米国電力部門の二酸化炭素排出量の約3年分に相当する。
今回の発表では、2022年3月に、2021年10月時点では未割り当てだったHFC許容量が各企業に配分された。また、報告データの誤りと未承認の不適切な製品輸入があった3社に対して、排出枠を一部回収する意向を通知する行政処分を発出した。
2022年1月以降、HFC違法取引に関する省庁間タスクフォースは、違法取引撲滅に向けて活動を続けてきた。このタスクフォースは、EPAと国土安全保障省(DHS)が共同議長を務め、税関・国境取締局(CBP)、国防総省(DOD)、司法省、国務省が参加している。この活動により、約53万tの二酸化炭素の排出を防止したとのこと。これ は、約10万世帯分の年間電力使用からの排出量に相当する。
同時に、2024年以降の規則案策定に関する会合も開催され、350人以上の関係者が参加した。策定中の規則案には、2021年10月に集まった11件のパブリックコメントにも対応し、より厳しくHFCの排出量を制限する。2024年以降の規則案では、ベースラインと比較して40%削減となる計画。2022年末に規則案を発表し、パブリックコメントを求める予定。
【参照ページ】The Biden-Harris Administration and EPA Continue Progress Cutting Super-Pollutants, Barring Illegal Imports, and Speeding Transition to Cleaner New Technologies to Fight Climate Change and Save Money
【参照ページ】Final Rule - Phasedown of Hydrofluorocarbons: Establishing the Allowance Allocation and Trading Program under the AIM Act
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