米ジョー・バイデン大統領と世界経済フォーラム(WEF)が2021年に発足した重工業のカーボンニュートラル化イニシアチブ「ファースト・ムーバーズ・コアリション」は5月25日、加盟企業が50社を突破したと発表した。日本政府や日本企業も加盟した。
「ファースト・ムーバーズ・コアリション」は、第26回気候変動枠組条約グラスゴー締約国会議(COP26)で発足。鉄鋼、セメント、アルミニウム、化成品、海運、航空、トラック輸送、直接大気回収(DAC)の8セクターでのカーボンニュートラル化を進めるリーディング企業の結集を図っている。今回の発表は、ジョン・ケリー米気候問題担当大統領特使と、ブレークスルー・エネルギーの創設者ビル・ゲイツ氏が共同で発表した。
【参考】【アメリカ】バイデン政権、クリーン製造業政策発表。水素、CCUS、製造業脱炭素化等(2022年2月23日)
今回の新規加盟政府は、インド、日本、スウェーデン、デンマーク、イタリア、ノルウェー、シンガポール、英国。インド、日本、スウェーデンは、米国とともに運営委員会メンバーとして、デンマーク、イタリア、ノルウェー、シンガポール、英国は政府パートナーとして加盟する。
新規加盟企業は、アルファベット、マイクロソフト、AES、AVEVA、ボール・コーポレーション、BHP、コンソリデーテッド・コントラクターズ・カンパニー、エコラボ、エネル、EY、フェデックス、フォードモーター、ハイデルベルグセメント、ナショナル・グリッド、ノベリス、PWC、シュナイダーエレクトリック、スイス最保険、ヴェスタス、商船三井。加盟企業は50社を超え、時価総額総額は約8兆5千億米ドル。日本企業は商船三井のみ。
同イニシアチブは、2つの新たな内部イニシアチブも発表した。まず、アルミニウム業界では、ボール・コーポレーション、フォード、ボルボ・グループ、トラフィグラ、ノベリスの5社が、2030年までにアルミニウムの調達量の10%で、ほぼカーボンニュートラルの素材を調達することにコミット。実現に向け技術開発を加速させる。
もう一つは、二酸化炭素除去(CDR)。アルファベット、マイクロソフト、セールスフォースの3社は、CDRに総額5億米ドル(約640億円)を拠出することを約束。さらにマイクロソフトは、CDRオークションから得た知見を活かし、専門家パートナーとしての役割を担う。また、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)は10万tのCDRを約束。AES、商船三井、スイス再保険も5万tもしくは2,500万米ドルの除去を約束した。加盟企業は、2030年までにコミットを果たし、回収した炭素を1,000年以上貯留できることを証明しなければならない。また、ブレイクスルー・カタリスト、カーボン・ダイレクト、フロンティア、サウス・ポールが、CDR創出を支援する。
【参照ページ】Private Sector Sends Powerful Market Signal to Commercialize Zero-Carbon Tech, as Key Coalition Tops 50 Members
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