オランダ、ベルギー、米国の主要工業地帯4地域は5月24日、世界経済フォーラム(WEF)のイニシアチブ「Transitioning Industrial Clusters towards Net Zero」に加盟した。連携を強化し、二酸化炭素排出量の削減を加速する。雇用創出、経済競争力、カーボンニュートラルの三兎を追う。
Transitioning Industrial Clusters towards Net Zeroは、2021年の第26回気候変動枠組条約グラスゴー締約国会議(COP26)で発足。ナレッジパートナーとしてアクセンチュアと米電力研究所(EPRI)が加わっている。初期加盟は、英ゼロカーボン・ハンバー、英ハイネット・ノース・ウェスト、オーストラリアのクウィナーナ産業会議、スペインのバスク・ネットゼロ・インダストリアル・スペキュタクラーの4つ。
同イニシアチブに加盟しているのは、まず、オランダのヘレーンで産業のサーキュラーエコノミー転換を進めるイノベーションセンター「ブライトランズ・サーキュラー・スペース」。ブライトランズは、オランドに本部をイノベーション・ハブ。ブライトランズ・サーキュラー・スペースは、同社の「ケムロット・キャンパス」内に設置されている。
2つ目は、米国のH2ヒューストン・ハブ。Center for Houston's Futureを通じて設立され、100以上の組織や企業が参画している。米国最大の水素製造・消費地であるヒューストン地域の特性を生かし、クリーン水素のコスト削減を目指している。
3つ目は、米国のオハイオ・クリーン水素ハブ・アライアンス。米国オハイオ州でクリーン水素ハブを設立するため、約100の企業、政府、地域団体で構成。
4つ目は、ベルギーのアントワープ・ブルージュ港。サーキュラーエコノミーとエネルギー転換の双方を進めている。
同団体は、地域的に開発されたバスク水素回廊をモデルとし、産業間およびクラスター間のパートナーシップの構築ともに、ブレンデッドファイナンスでの資金調達モデルを確立することを目指している。
今回加盟の工業地帯4つの合計では、年間二酸化炭素排出量が2億9,600万t。ポーランドの年間排出量よりも多い。従業員数は47万人以上。年間国GDPは1,350億米ドル(約17兆円)。また8つの工業地帯合計では排出量が3億3,400万t。フランスの年間排出量を超える。従業員数は110万人。年間DGPは1,820万米ドル(約23兆円)。
同イニシアチブには、現在、米国、欧州、アジア太平洋地域の10以上の工業地帯が参加を検討中。最終的には100を目指す。
【参照ページ】More Industrial Hubs to Accelerate Their Net-Zero Transition
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