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【日本】東京地裁、TBM対オルタナ訴訟で、オルタナ記事の真実性を否定。損害賠償等は棄却

 東京地方裁判所は9月28日、TBMがオルタナを相手取り名誉毀損で起こした損害賠償訴訟について訴えを棄却した。一方、オルタナが同社運営のウェブサイトの中で、TBMの素材「LIMEX」はプラスチックが最大成分で、石灰石成分(炭酸カルシウム)を上回ると報じたことについては、真実性の証明がないとの判決を下した。これによりTBMは当初の訴訟目的は達成されたと判断し、控訴はしない考え。

 今回の訴訟では、オルタナが2020年4月に「石灰石ペーパーの一種『LIMEX』(ライメックス)を使った一部のレジ袋について、プラスチックが最大成分で、石灰石成分(炭酸カルシウム)を上回ることが分かった」との記事を発表したことが発端。記事の中で、アパレルブランド「SPINNS」が全国で配布するLIMEX製の買物袋の成分分析を第三者検査機関である⼀般財団法⼈化学物質評価研究機構(CERI)に依頼したところ、プラスチックが48.6%、炭酸カルシウムが41.1%と伝えていた。

 これについて今回の判決では、オルタナが調査依頼した製品個別の分析手法は一般的ではあるものの、同時にTBMによる分析も不適切ではなく、オルタナが公開した記事が依拠している試験報告書によってLIMEXの成分のうちプラスチック量が炭酸カルシウム量を上回ると認めることはできないと判示した。
TBMは、個別の調査結果に関しても、オルタナ記事の直後の5月、日東分析センターへの調査依頼結果を公表し、炭酸カルシウム量が53%と発表していた。また同11月には、CERIからも、容器包装リサイクル法上では、オルタナが実施した方式とは異なる熱重量測定方法を⽤いるのが⼀般的であり、個別の調査結果でも、重量ベースで最も⽐率が⾼い成分は炭酸カルシウムであるとの分析結果を得たと表明していた。

 また、オルタナは、同記事とともに各方面にLIMEXの利用中止を促すと受け止められかねないキャンペーンを展開。これに対し、TBMはオルタナ記事によるTBMの名誉毀損及び記事等の削除で提訴していた。これについて、東京地方裁判所は、損害賠償責任を棄却。理由は、オルタナが、公的機関からの解析結果を得る等、一定の取材に基づいて記事を執筆しており、記事削除や損害賠償までは認めなかった。

[2022.10.20修正]
一部、誤解を招きかねない内容があったため修正した。

【参照ページ】株式会社オルタナへの名誉毀損訴訟の判決に関するお知らせ
【参照ページ】当社のLIMEX製袋に関する誤った記事の掲載と関係各所の見解について
【参照ページ】「石灰石ペーパーはエコか」「LIMEX、容リ法ただ乗りの疑い」など記事巡る訴訟でTBM社が敗訴

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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