【国際】ダウ、サーキュラー製品売上を2030年に年間300万tへ目標引上げ。世界中で設備増強

　化学世界大手米ダウは10月17日、2030年までに、廃プラスチック等のフィードストックから年間300万tのサーキュラーエコノミー型の製品へ転換する目標を発表した。今回の目標は、同社が2020年に設定した年間100万tから300万tへと大幅に引き上げた形。

　同社は、再生素材とバイオ素材の双方を含むサーキュラーエコノミーへの移行を矢継ぎ早に進めている。7月21日には、英ケミカルリサイクル大手ムラ・テクノロジーと米国と欧州で、また米ケミカルリサイクル技術開発ネクサス・サーキュラーとは米テキサス州ダラスで、ケミカルリサイクル工場建設を発表。フランスでは、リサイクル大手ヴァロレジェンと廃プラスチックのマテリアルリサイクル及びケミカルリサイクルのハイブリッドリサイクル工場を建設する。

【参考】【アメリカ】ダウ、廃プラ再生素材やバイオ素材の調達を加速。各国のベンチャー企業と次々連携（2022年7月28日）

　さらに同社は、ブラジルのリサイクル事業者Boomera LAR 社とのマテリアル・リサイクルで協働。1月には、ケニアのリサイクル技術開発Mr. Green Africaへの出資や、追跡可能で公正、高品質な廃プラスチックのリサイクル素材（PCR）の共同開発も進めている。また2021年4月には、インドで消費財大手Marico及びリサイクル大手Lucro Plastecycleと収縮フィルムの生産ラインに再生プラスチック原料を投入するパートナーシップも締結した。

【参考】【ケニア】ダウ、プラリサイクルMr. Green Africaに出資。トレーサビリティとインクルージョンも（2022年1月15日）
【参考】【国際】化学世界大手3社、ケミカルリサイクル技術投資ファンドを共同設立。競合間連携進む（2021年6月2日）

　9月には、ライオンがタイで販売する「植物物語シャワークリーム」の詰め替えパックをリサイクル可能な素材に転換するため、ダウのテンターフレーム二軸配向（TF-BOPE）用ポリエチレン樹脂「イネイトTFポリエチレン樹脂」の採用を発表している。

【参照ページ】Dow commits to accelerating the circular ecosystem by transforming waste and alternative feedstock to deliver 3 million metric tons per year of circular and renewable solutions by 2030
【参照ページ】Dow’s INNATE™ TF-BOPE resins enable Lion Corporation to launch recyclable refill bags for shower cream in Thailand

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所