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【日本】金融庁、ESG公募投信でESGウォッシュ防止監督指針案公表。パブコメ募集

 金融庁は12月19日、「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」の一部改正案を公表した。ESGファンドのESGウォッシュ防止の指針を示した。2023年1月17日までパブリックコメントを募集する。

 金融庁は、2021年11月以降、国内の資産運用会社37社、投資信託225本を対象に調査し、2022年5月に「資産運用業高度化プログレスレポート2022」の中で「ESG投信を取り扱う資産運用会社への期待」として在るべき姿を提示していた。今回、当局としての具体的なチェック項目を明確にした。

【参考】【日本】金融庁、ESG公募投信の調査結果公表。体制や開示で課題多い。あるべき姿提示(2022年4月27日)

 具体的には「ESG投信に関する留意事項」という監督指針項目を追加。まず、同規制の対象は、ESG公募投信のみとした。その上で、投信の名称や愛称に関し、投資家に誤解を与えることのないよう、ESG投信に該当しない公募投資信託に、「ESG」「SDGs」「グリーン」「脱炭素」「インパクト」「サステナブル」等のESG関連用語を使うことを禁止。交付目論見書の「ファンドの目的・特色」等のESGに関する記載が、当該公募投資信託がESG投信であると投資家に誤認されるような誇張した説明となっていないかもチェック対象となる。2023年3月末までに設定され、ESG関連用語の名称や愛称をつけている投信については、交付目論見書の中でESG投信ではない旨を明記することも義務付ける。

 次に、投資戦略でのウォッシュを防ぐため、ESG投信の交付目論見書の「ファンドの目的・特色」に記載するを義務付ける内容も定めた。

  • ESGの総合評価又は環境や社会の特定課題等、投資対象選定の主要な要素となるESGの具体的内容
  • 主要な要素となるESGの運用プロセスにおける勘案方法(関連する基準や指標、評価方法等の説明を含む)
  • 主要な要素となるESGを運用プロセスにおいて勘案する際の制約要因やリスク
  • 持続可能な社会の構築に向けて、環境や社会のインパクト創出を目的としているESG投信について、その目的、インパクトの内容、及び、目標とする指標・数値、方法論等を含むインパクトの評価・達成方法
  • 投資信託委託会社として、ESGを主要な要素とする投資戦略に関連するスチュワードシップ方針がある場合には、当該方針の内容
  • 上記について、詳細をウェブサイト等で開示する場合には、その参照先

 そして、ポートフォリオ構成でも要件を設ける。具体的には、ESG投信の純資産額のうち、ESGを主要な要素として選定する投資対象への投資(時価ベース)を目標や目安としている場合や、ESG投信の投資戦略において主要な要素となるESGの評価指標について目標や目安を設定している場合には、交付目論見書の「ファンドの目的・特色」に、当該比率やその他の計数の記載を義務化。また目標や目安を設定していない場合には設定ていない理由の記載を義務付ける。

 特定のESGインデックス指数への連動を目指す場合、交付目論見書の「ファンドの目的・特色」に、参照インデックスのESG勘案方法も記載しなければならない。公募投資信託の運用プロセスにおいて第三者が提供するESG評価を利用する場合や自社のESG評価に第三者が提供するデータを利用する場合には、ESG評価・データ提供機関の組織体制や評価の対象、手法、制約及び目的を理解する等、適切なデューデリジェンスが義務付けられるが、開示要件は課さなかった。

 ESG投信の運用を外部に委託する場合には、外部委託先に対する適切なデューデリジェンスや運用状況の確認を行い、交付目論見書の「ファンドの目的・特色」や交付運用報告書に、委託先が今回設定された義務の遵守を確認し、開示が困難な場合には、その理由を説明しなければならない。
か。

 定期開示を行うESG投信の交付運用報告書や上場投資信託での適時開示書類と、交付目論見書の「運用実績」にも記載内容を義務付ける。

  • 純資産額のうち、ESGを主要な要素として選定した投資対象への投資(時価ベース)について、目標や目安とする比率がある場合には、実際の投資比率
  • 投資戦略において主要な要素となるESGの評価指標について、目標や目安を設定している場合には、その達成状況
  • 持続可能な社会の構築に向けて、環境や社会のインパクト創出を目的としているESG投信について、インパクトの達成状況
  • 投資信託委託会社として、ESGを主要な要素とする投資戦略に関連するスチュワードシップ方針がある場合、当該方針に沿って実施した行動
  • 上記について、詳細をウェブサイト等で開示する場合には、その参照先

 最後に、ESG公募投信の運用会社には、組織体制の状況もチェックされる。具体的には、ESGに関連するデータやITインフラの整備、人材の確保等、ESG投信の投資戦略に沿った運用を適切に実施し、実施状況を継続的にモニタリングするためのリソース確保の状況。さらに、ESG投信の運用を外部委託する場合には、外部委託先での組織体制に関するデューデリジェンス体制の整備状況がチェックされる。

【参照ページ】「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」の一部改正(案)の公表について

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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