世界経済フォーラムは1月9日、2035年までの世界の健康とヘルスケアのビジョンと戦略に関する報告書を発表した。重要な4つの分野を設定し、ケーススタディを紹介した。
同報告書は、WEFと英戦略コンサルティング大手L.E.K.コンサルティングが作成し、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に向けて発表されたもの。2035年までの健康とヘルスケアのビジョンと8つのケーススタディを紹介した。
2035年までの健康とヘルスケアに関するビジョンは、公平性をベースとして「公平な医療アクセスと成果」「医療システムの転換」「テクノロジーとイノベーション」「環境サステナビリティ」の4つを柱として掲げ、それぞれに対し短期、中期、長期の目標を設定した。
次に、4つの柱と15の課題のマトリクスを作成し、ビジョン実現に向けた課題を整理。世界全体の医療従事者の不足は今後10年間で1,000万人と推測されており、新型コロナウイルス・パンデミックにより医療サービスが必須な地域のカバー率が25%減少した。医療従事者の不足とヘルスケア領域の規制変更のペースが遅いことによるイノベーションの制限等により、低・中所得国と高所得国の健康格差が拡大することをリスクとして挙げた。
最後に、課題への解決策のアイデアに関する8つのケーススタディを紹介。また、2023年のヘルスケア領域での課題は、メンタルヘルスの悪化、医療従事者の不足、マクロ経済の不安定さによる医療サプライチェーンの混乱であり、官民それぞれのステークホルダーに対してアクションを提案した。
企業向けには、「メンタルヘルスに関する測定と研究の進化」「サプライチェーンの最適化と投資の促進」「ヘルスケア産業へのESGの組み込み」、公的機関向けには「分散型サプライチェーンの構築に対する連携の強化」「医療の成果・価値の最大化」「ヘルスケアにおけるデータ利用に関する国際的なルールとガイダンスの設定」を挙げた。
【参照ページ】‘Patient-First’ Tech Innovations Can Boost Healthcare Access, Tackle Workforce Shortages and Burnout
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