
航空機世界大手仏エアバス、自動車世界大手独BMWグループ、米量子コンピューティングクオンティニュアムの3社は8月2日、量子コンピュータを活用し、白金ベースの酸化還元反応(ORR)のモデル化に成功したと発表した。燃料電池の触媒反応の加速化が期待される。
クオンティニュアムは、英ケンブリッジ・クオンタム・コンピューティング(CQC)と、重工業世界大手ハネウェルの量子コンピューティング部門が統合し、2015年に設立。量子技術を活用したサービスを展開し、量子コンピュータ研究の社会実装を進めている。
3社の共同研究チームは今回、燃料電池の触媒反応に焦点を当て、産業ワークフローにおける量子コンピューティングの適用可能性を実証。酸素還元反応(ORR)での触媒反応のシミュレーションをモデル化した「シミュレーションハイブリッド量子古典ワークフロー」を共同開発した。燃料電池は従来、水素と酸素を反応させ水と電気に変換する所要時間が長く、大量の白金触媒も必要だった。今回、反応モデルを解明したことで、時間の短縮化や、代替物質の開発へとつながる見込み。
ORRのような化学反応の正確なモデル化は、従来のコンピューターでは困難な作業だった。今回の共同研究では、クオンティニュアムの量子コンピューター「Hシリーズ」を活用することで、化学反応の理解の深化に向けた量子コンピューティングの適用可能性を実証することに成功した。
【参照ページ】BMW Group, Airbus and Quantinuum Collaborate to Fast-Track Sustainable Mobility Research Using Cutting-Edge Quantum Computers
【画像】Airbus
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