欧州・アジア飲料大手コカ・コーラ・ユーロパシフィック・パートナーズ(CCEP)は9月7日、工場で回収した二酸化炭素をエチレンに転換する炭素回収・利用(CCU)研究プロジェクトに資金拠出すると発表した。石油原料からの代替を狙う。
拠出先は、英スウォンジー大学の研究者が展開する3年間の研究プロジェクト。ペットボトルのキャップに使用する高密度ポリエチレン(HDPE)等の主要成分であるエチレンで新たな製造方法を模索する。まずは、高効率で生産性の高いエチレン変換プロセスの開発に焦点を当て、その後、量産可能性の評価を行う。
CCEPは、2040年までにスコープ3を含むバリューチェーン全体でのカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)達成が目標。中間目標として、2030年までにスコープ3含む二酸化炭素排出量を2019年比30%削減を掲げている。今回のアクションもその一環。
同社はすでに、スペインのルビーラ・イ・ビルジーリ大学 (URV)及びオランダのトゥウェンテ大学(UT)の炭素回収・利用(CCU)研究プロジェクト、米カリフォルニア大学バークレー校のペイドン・ヤン研究グループとの協働による、工場等から回収した二酸化炭素から製糖する技術を共同開発等へも資金を拠出。蘭プラスチック・リサイクルCuRe Technologyへ出資している他、コカ・コーラ・カンパニーとの1.3億米ドル(約190億円)規模のサステナビリティ特化型ベンチャーキャピタル・ファンド「Greycroft Coca-Cola System Sustainability Fund」の設立等も行っている。
【参考】【国際】コカ・コーラとボトラー8社、サステナビリティ特化型VC設立。190億円拠出(2023年7月18日)
【参考】【ヨーロッパ】CCEPのCVC、大学とCCUの共同研究へ。容器原料や飲料成分等の利用模索(2023年2月6日)
【参考】【国際】CCEP、サプライヤー向けリンク・ローンでラボバンクと協働。回収炭素で砂糖生産も(2022年8月24日)
【参照ページ】Coca-Cola Europacific Partners announces second partnership to explore CO₂ upcycling technology
【画像】CCEP
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