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【日本】OCCTO、長期脱炭素電源オークション容量市場の約定結果公表。原発、アンモニア混焼、蓄電所

 経済産業省の認可法人である電力広域的運営推進機関(OCCTO)は4月26日、「容量市場 長期脱炭素電源オークション約定結果(応札年度:2023年度)」を公表した。2023年10月から参加登録受付を開始し、2024年1月にオークションの応札受付を開始していた。

 容量市場とは、電力の安定供給を確保するため、電力量(kWh)ではなく将来の供給力(kW)を金銭価値化し、発電事業者に支払う仕組み。小売電気事業者が支払者となり、「容量拠出金」を支払うため、2027年度から電気料金に転嫁させる可能性もある。kW当たりの価格はオークションで決定する。

 OCCTOの容量市場は、メインオークション、追加オークション、長期脱炭素電源オークションの3つがある。メインオークションは、将来の一定期間の需要に必要な供給力を確保するため、実際に供給力を提供する年度の4年前に実施される。追加オークションは、メインオークション実施後に追加で必要と判断された場合に、提供年度の1年前に実施される。

 今回の長期脱炭素電源オークションは、脱炭素電源の電源開発を長期的に支援するため、2023年度に創設された。原則20年間「容量確保契約金」を受け取ることができる。オークションには、事前参加登録が必要だが、国内法人の脱炭素発電事業者であれば、基本的に参加は自由。但し、すでに運転開始している電源は参加できない。また、すでにメインオークションや追加オークションで落札されている電源も参加できない。制度適用期間内にFIT制度・FIP制度を適用する電源も参加不可。系統電力に該当しない自家消費や自己託送の電源も参加不可。

 脱炭素電源に指定されているのは、水力発電、地熱発電、太陽光発電、風力発電、蓄電所、水素またはアンモニアの混焼もしくは水素またはアンモニアまたはバイオマスの専焼を行う火力発電所に加え、天然ガス専焼火力発電所も対象となっている。水素またはアンモニアの混焼または専焼を行う火力発電所は、新設及びリプレースに加え、改修でも可。

 OCCTOは、現在の約1.2億kWの火力発電を全て脱炭素電源に置き換えるには、年平均で600万kW程度の導入が必要と見立てているが、初期段階におけるオークション募集量は、スモールスタートにすることを決めた。そのため、2023年度実施の脱炭素電源の募集量(2027年度分)が400万kW、天然ガス専焼火力発電が2023度から2025年までの3年間で600万kW(202。既設火力発電の改修案件(水素またはアンモニア混焼およびバイオマス専焼)および蓄電所と揚水発電は、各々100万kWを募集上限とした。制度適用期間は2027年度以降。

 今回の約定結果は、脱炭素電源が総額2,336億円。天然ガス専焼火力発電が年間で総額1,766億円。長期脱炭素電源オークションでの実際の取引では、他市場での収益は控除されて「容量確保契約金」が発電所に支払われる。

 約定結果の脱炭素電源別では、水力発電、太陽光発電、風力発電、地熱発電はゼロ。原子力発電が落札率100%で131.6万kW(建設中の中国電力の島根原子力発電所3号機の1ヶ所)。アンモニア混焼と水素混焼への改修も落札率100%で82.5万kW。バイオマス専焼火力発電所も落札率100%で19.9万kW。残りは、蓄電所が109.2万kW(落札率24%)、揚水発電が83.8万kW(落札率69%)、水素混焼火力発電が6.8万kW(落札率0%)。調整機能なし電源の契約容量はゼロだった。

 今回実施した2027年度分の容量市場全体での電源確保設備容量は、メインオークション調達分が16,745kW、長期脱炭素電源オークション調達分が31万kWで、圧倒的にメインオークション調達分が多い。   【参照ページ】容量市場 長期脱炭素電源オークション約定結果(応札年度:2023年度)の公表について

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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